予讃線の高架化工事は2018年に着手した。伊予鉄道高浜線と離れ松山環状線をアンダーパスする地点から、伊予鉄道郡中線と県道松山松前伊予線をオーバーパスするガードの手前までの2.4キロが高架化され、8箇所の踏切は廃止になった。地平時代は2面3線だったが、新しい高架駅舎は2面4線となっている。これは高知駅も同じだ。高架駅は既存の駅西側のヤードの跡地に建てられた。そのため、既存の駅からは少し歩かされ、元から離れていた路面電車の停留所はさらに離れることになった。長崎や宇都宮に比べれば大したことないけど、昨日寄った高知に比べると不便になった感じだ。
2面4線化することで『しおかぜ・いしづち』と『宇和海』の並列停車での乗り換えが、対面で乗り換えられるようになった。それに伴い、『宇和海』の指定席を松山寄りから宇和島寄りに移動した。旧地上駅舎でも1番線の宇和島寄りに切欠ホームのような電留線があったから、そこに『宇和海』を停めて、『しおかぜ』の停車位置をずらせば対面接続は可能だったと思うのだけど、それでも『いしづち』からは距離がある。
旧駅と同じく、宇和島方向に向かって左側から1番線、2番線、3番線、4番線となっており、1番線を『しおかぜ・いしづち』、2番線を『宇和海』、3番線を今治方面の普通、4番線を伊予市方面の普通が発着するのが基本となっている。但し9時07分発の特急『宇和海』は1番線から発着して、『しおかぜ・いしづち』は『宇和海』の発車後に1番線に入線する。伊予市方面普通25本のうち8本は3番線からの発車で、それ以外は4番線からの発車となる。今治方面普通22本のうち、午後4本夜2本の計6本が1番線から、7時24分発、8時40分発が2番線から、9時36分発が4番線からの発車で、それ以外の13本が3番線からの発車となっている。12時01分から14時23分までと、18時39分から20時36分までの上り電車は、特急、普通ともに1番線からの発車となる。今治方面からの普通電車の回送は宇和島寄りの電留線に引き上げて、特急の折り返しをよけているのだろうか。3番線の発着がない時間は、坊ちゃんスタジアムでのイベント時の市坪行の電車を折り返させるのだろう。1番線、2番線は勿論、3番線、4番線も特急8両編成が停車できるようにホーム有効長が178mとなっている。そのため、最長4両、ほとんどが1両か2両の普通電車では持て余し気味だ。熊本のように切欠ホームを多用すればエレベーターを減らせるけど、今治からの電車を松山運転所に回送するにはスルー構造の方がいい。
両側とも向かって右側が本線、左側が電留線への線路となっている。電留線は両渡り線の先にあり、高松寄りが2本、宇和島寄りが1本ある。両端には両渡り線の他、2番線から3番線への渡り線が、高松寄りは4番線と3番線が合流したあとに、宇和島寄りは合流する前にある。このことで、高松からの列車が1番線、電留線からの列車が2番線への同時入線、または、宇和島からの列車4番線、電留線からの列車が3番線への同時入線が可能となっている。
それぞれのホームには階段2箇所と高松方向へのエスカレーターが設置され、2階コンコースに集約されている。2階コンコースの3番・4番ホームの真下付近には待合室と台湾交流ギャラリーがあり、宇和島寄りには砥部焼タイルを壁面に用いたトイレがある。2階コンコースからは高松方向へのエスカレーターと階段が1階コンコースへ降りている。2階コンコースの天井は1階コンコースまで延びているため、1階コンコースの天井高は6mとなり開放的になっている。天井や柱には地元産のスギやヒノキを活用、格子形状となっている天井は、『伊予絣』の『井桁模様』をモチーフにデザインしている。1階コンコースの改札は高松寄りの中央改札と宇和島寄りの南改札がある。中央改札の自動改札機は、チケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」(QRコード)に対応している。中央改札右手には曲面ガラス張りのウォークイン改札が整備され、カウンターごしに駅員とのやり取りができるようになった。ウォークイン改札の裏側が事務室なので、中央改札右側には自動券売機とみどりの窓口が整備された。
中央改札を出て正面には、だんたん通りと呼ばれる店舗街があり、コンビニやお土産物屋、飲食店『えひめしや』が入居した。改札を出て左側にも『愛媛主義』という土産物屋がある。一方、階段裏にある南改札はだんだん通りの飲食店街に通じているが、券売機などは設置されていない。そのため、出札は自動改札対応のきっぷのみ、改札も前もって自動改札対応のきっぷを用意しなければならない。それ以前に南改札への入口が面する通路が新設の西口側しか入れない。通路は入口、飲食店街の入口を兼ねているため、わかりにくい。通路は東側にも抜けられるようになっているが、旧ホームを解体しないと抜けることができない。
中央改札からコンコースを左側に出ると、新設の西口に出る。コンコース入口の屋根は道後温泉本館の唐破風屋根をイメージしており、独特の曲線を描いている。駅前広場は、更地に単管パイプによるバリケードで仕切られた車道が整備された仮設の状態、クルマもあまりなく、近所の人が歩いて使っている感じだった。中央改札からコンコースを右側を出ると、旧駅舎の跨線橋に突き当たる。仮設通路は、それを避けるように左折、さらに右折して旧ホームを横切り、旧駅舎のコンコースに達する。駅舎の中は券売機も商店も閉鎖されていた。近いうちに取り壊されるのだろう。
西口広場には多目的スタジアム、東口広場にはバスタや商業施設を誘致してるとの報道があったものの、いつになるかは不明だ。東口は高知のように広場のままになる可能性がある。路面電車の停留所を駅に近づける計画もあるが、環状線をスイッチバックさせないためには、今の大通り西側の細い道を走らせることになり、駅前広場北側の再開発が必要になる。幸い、路面電車が通ることになる道路沿いは空き地や駐車場になっている部分がある。
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