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しーさるの鉄日記

紀勢本線、改修駅巡り

年末の旅行からたった6日、今回は2泊2日で紀勢本線、阪和線の改修駅を巡ることにした。まず、紀勢本線の東側にアクセスするために、バスタ新宿発22時05分の南紀勝浦行夜行バスに乗ることに、新幹線から乗り継いで数時間以上かかるところは、夜行バスが優位ではないかと思う。夜行バスは横浜駅東口バスターミナルを経由しながら、東名へ。横浜までと足柄SAでの休憩前後を除いて意識はなかった。

6時15分、海山バスセンターに到着した。当初予定だと、バスセンターから15分歩いて相賀駅へ行ったうえで1時間待ち、7時39分の多気行で目的駅の船津へ行って、新宮行が来るまで、また1時間待ちとなっていたが、相賀で待たずに、目的の船津駅へ70分歩いて直接向かうことにした。船津駅に着いたのは7時半くらい、多気行が来るまで10分以上ある。船津駅は大き目の木造駅舎だったが2年前に解体、ステンレスベースでガラス張りの簡易的なものになった。船津発7時44分の多気行に乗車、新宮行と交換するのは大内山なので、この手前の梅ケ谷で折り返すことにした。亀山~新宮間の普通列車は全てキハ25、新宮~紀伊田辺間の普通列車の全て、紀伊田辺~御坊間に普通列車のほとんどが227系、つまり亀山~御坊間326キロはロングシートだけとなる。長距離ロングシートで有名な東海道本線熱海~豊橋間189キロの倍近くあり、701系しか走らない奥羽本線の新庄~青森間336キロに匹敵する距離だ。

船津を出ると三野瀬まで6.3キロ、紀伊長島まで7.5キロと駅間距離は長くなる。紀伊長島から梅ケ谷までは8.9キロあり、紀勢本線では周参見~見老津間の9.0キロに次いで長い。この8.9キロの間は荷坂峠がある。紀伊長島を出た列車は12ヶ所のトンネルと入り組んだカーブで標高200m近くまで上昇、左手には紀伊長島の街を望むことができる。1914mの荷坂トンネルを通過して、梅ケ谷駅には8時11分に到着した。最新のキハ25形でも紀伊長島から10分かかる。折返し、8時21分の新宮行に乗って、紀伊長島へ向けて下ることに。峠での走行を二度も楽しめて、70分歩いた甲斐はあった。相賀を出ると、トンネルを通過して尾鷲に到着、大曽根浦駅前後で少し海沿いを走るものの、しばらくは2000m前後のトンネルでリアス式の集落をショートカットしていく。尾鷲から熊野市までは昭和31年以降にできた区間で、戦前に開業した他区間よりは新しい。熊野市の次の有井から新宮の手前の鵜殿まではトンネルがなく、七里御浜沿いを走る。鵜殿を出ると熊野川を渡り、10時21分に新宮に到着した。梅ケ谷からちょうど2時間だ。新宮では1時間ほどあったので、町の中を少し散策しながら、熊野速玉大社の近くまで行った。

新宮からは11時27分発の『くろしお』を太地まで乗ることに。18きっぷなので、特急券だけでなく乗車券も買うことになる。全席指定なので運賃330円だけでなく料金1290円もかかるわけだが、チケットレスサービスでスマホ予約したら閑散期並みの1090円となった。J-WESTネット会員なら650円と自由席760円より安くなるけど、JR西日本の特急には頻繁に乗らないからな。新宮駅だけでなく太地も交通系IC改札機があるので、運賃はSuicaで支払った。乗った『くろしお22号』は、『パンダくろしお「Smileアドベンチャートレイン」』運用、前面はパンダをイメージしたペイント、側面の両端にはアドベンチャーワールドの動物が描かれている。ヘッドカバーもパンダ柄になっていた。那智で上り『くろしお』と交換のために停車したもののすぐに発車した。

太地着11時54分、2021年6月に太地駅は駅舎を改修して2階建ての駅舎になった。駅舎は米国西海岸の人工島「ターミナルアイランド」をイメージした洋館風、1階には観光案内所や商工会の支所、コンコースは吹き抜けになっている部分もある。2階は集会所になっているが、津波が発生した際は約200人収納の避難所にもなる。エレベーター棟を介して、ホームともつながっているが、通常は入ることができない。駅前広場は舗装されただけ、駅舎から少し離れて、バス停があり、コミュニティバスや南紀白浜空港へのリムジンバスが発着する。片面ホームは特に改修されてない。片面ホームに優等列車、それも料金要の列車が停車するのは珍しいと思う。しかも周辺の駅のほとんどで交換可能なのに。

20分ほど滞在して太地発12時15分の普通列車に乗車、再びロングシートでの旅となる。紀勢本線では、通学時間帯の朝の一部列車を除いて、普通や『くろしお』での自転車の輪行が可能だ。そのため227系の側面LCDには自転車のマークが入っている。自転車だったら、駅巡りが捗るけど、自転車を駅巡りする場所まで持っていかなければならないし、レンタサイクルも返却場所と時間がネックになりそうだ。串本では特急と交換するため2分停車、その合間に駅から国道を挟んだところもスーパーで買い物した。

串本から2駅乗って、田並駅には13時13分に到着した。田並駅は2020年に改築、木造駅舎だったのが数メートル四方のボックスカルバート状のコンクリート製の駅舎となった。中には3人掛けベンチ、簡易ICOCA改札、列車位置案内装置があった。駅前広場は確保され、コミュニティーバスも入るものの、アクセス道路はクルマ同士がすれ違うのがやっとのくらいの狭さだった。
田並には1時間近く滞在して14時11分発の紀伊田辺行に乗車した。周参見駅において、『くろしお』の交換待ちのため、14時46分から15時07分まで停車したので、駅舎の中を見ることにした。周参見駅の駅舎内は2019年11月にリニューアル、観光協会の案内所やカフェコーナーが入居してきれいになった。カフェコーナーの一角には東南アジアのタクシーで有名な三輪自動車『トゥクトゥク』が。今年8月からレンタルを開始して、1日借りると4千円かかるとのことだ。

終点の紀伊田辺には15時51分に到着した。紀伊田辺以北も以南と同じ227系2両だが、夜の御坊発新宮行1本と朝の周参見発御坊行1本を除いて、紀伊田辺で系統分断されている。ほぼ1時間間隔の以北とランダムに数時間に1本しかない以南を直通させると、効率が悪いのだろうか。紀伊田辺駅は駅舎を改修して2019年8月に供用を開始した。新駅舎は鉄骨平屋建て、熊野古道の玄関口をイメージを取り入れながら、旧駅舎の特徴である大屋根と三角屋根を引き継いだデザインとなっている。また、駅入り口には紀伊田辺駅の木製の立て看板が設置された。内装には地元の紀州材を使用、待合室も広く確保されている。新駅舎にはセブンイレブンも入居するようになったが、6時半から22時までの営業なので、早朝、深夜は駅から南へ数分のところのファミリーマートを利用することになる。駅前を少し散策した後、16時25分の御坊行に乗車して、さらに北へ向かう。

和佐には17時08分に到着した。和佐駅は、2016年に駐輪場跡地に待合室駅舎を新設、その左側にあった1930年の開業以来の木造駅舎は老朽化に伴い取り壊した。新駅舎は、直径3.5メートルのコルゲートパイプを長さ3.7メートルに切って、埋めた特徴的なものになっている。なお、駅構内の制御装置は旧駅舎にあったため、旧駅舎跡地にその代わりとなる倉庫が建てられた。待合室駅舎は簡素だが、すぐ横にはウォシュレット付の洋式トイレがある。駅舎にコルゲートパイプを利用することで、施工費用は普通の待合室駅舎より2割程度抑えられるだけでなく、保守が楽になったとのことだ。ただ、吹きさらしの待合室駅舎は寒く、周辺も暗くなった。18時01分の御坊行に乗る予定を切り上げ、17時27分の紀伊田辺行きで隣の稲原へ、折り返し17時45分の御坊行きに乗った。この御坊行きは和佐で9分停車して『くろしお』に追い抜かれる。もう少し日が長ければ、待避時間を利用して和佐の丸い待合室駅舎を撮影できたのだけど。紀伊田辺~御坊間の『くろしお』通過駅から大阪方面へ行く場合、和佐なのの途中駅で『くろしお』に抜かれるため、御坊で乗り換えることができずに50分も待たされる。結果、大阪へ行くのに、御坊、和歌山と普通や快速を乗り継ぐことになるが、20分待ちの普通からの乗り継ぎでも、和泉砂川で50分後の『くろしお』に追い抜かれてしまう。クルマがあれば、御坊や南部といった『くろしお』停車駅へ送迎するというのが、一般的かもしれない。

御坊着18時09分、スーパー銭湯で風呂だけでなく夕食も済ませた後、紀州鉄道の線路沿いにあるホテルへ向かった。

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