私の仕事がどんなものなのか、わかりにくいとよく言われるので
小説にしてみようと思います!
登場人物については、全てフィクションで実在のものとは
関係ありません。
小説 「カラ-リスト マユミ」
Copyrights(C)Takahashi
1-1Springの人
「おはようございます。」
明るく若々しい声で、女性が扉を開けて入ってきた。
今日のお客様は、HPからのお申し込みの方で
主婦で35歳。
「山田様ですね、おはようございます。
どうぞこちらにおかけ下さい。」
パ―ソナルカラ-診断では、いつもノ―メイクでの診断を
お願いしている。
彼女は帽子を深めに被り、もうすでに素顔だった。
お化粧を落とすことに、抵抗を感じる方も確かにいる。
けれど、生まれ持った体の色をしっかりと見極めないと
正確な分析がしにくい。
お化粧の色は化学的なもので、その色味は強い。
本来持っていないその色との調和を、優先してしまう結果に
なりかねない。
もって生まれた色で無理なく魅力アップするのが
パ―ソナルカラ-なのだから、まずは素になって
自分と向き合うことが大切なのだ。
「こちらに記入してくださいね」
私は、カウンセリング用紙を彼女に渡し
お茶の準備をした。
お茶を飲みながら、普段のファッションについて
色々と尋ねた。
彼女は黒ばかり着てしまい、色物はなぜか選べない
という悩みを持っていた。
パ―ソナルカラ-診断のお客様のほとんどが
似合う色を知りたい、と来られる。
それは、その人に似合う色=パ―ソナルカラ-なのだから
当然なのだけど、多くの人はその時欲しい色で洋服を選んだりする。
でも結局選べなくて、無難な色のものを手に取ってしまう。。。
彼女の場合、少し心理的影響もありそうだった。
パ―ソナルカラ-についての説明の後
早速診断に入った。
「お肌はクリーム色ですね。瞳は茶系ですが。。。
あ~、どちらかといえばブル―べ―ス系のSummer寄りかな。。。
実際にドレ―プ(色の布)を当ててみましょうね」
赤・ピンク・緑・黄・青・・・・・・
次々と4シ―ズン(診断は春・夏・秋・冬のグル―プに分ける)
の代表カラ-を顔の近くにあてて
鏡に映った顔色の変化を一緒に見ていく。
普段、念入りにお化粧をしていない人でも
スッピンで鏡の前に座り、自分の顔がしっかり
写るとなぜか眼を背けたくなっている。
診断の途中まで、鏡の中の自分と焦点が合っていない
お客様もかなりいる。
彼女もまたそのひとりだった。
「ほら、ここを見てください。この頬の影が濃くなっているでしょう」
「あっ、はい」
私の問いかけで、慌てて鏡の中の自分をやっと見る。
診断を受ける気がないのではない。
それなら、わざわざお金を出してまで来るわけがない。
常日頃、忙しいからと言い訳をしながら、本当の自分と
向き合うことをしていない。
だから改めて見るのが怖い、のである。
心の中のみならず、外見もそうなのだ。
私達は結構、自分を見ているようで見ていないのかもしれない。
見えているだけで、本当には見ていないのかもしれない。
それでも慣れてくると、顔の変化を見ようと積極的になり
終る頃には、ほとんどの方は自分で似合う、似合わないを
見つけられるようになる。
彼女も似合う傾向がわかり、納得もあり、驚きもありの様子だった。
続く
小説にしてみようと思います!
登場人物については、全てフィクションで実在のものとは
関係ありません。
小説 「カラ-リスト マユミ」
Copyrights(C)Takahashi
1-1Springの人
「おはようございます。」
明るく若々しい声で、女性が扉を開けて入ってきた。
今日のお客様は、HPからのお申し込みの方で
主婦で35歳。
「山田様ですね、おはようございます。
どうぞこちらにおかけ下さい。」
パ―ソナルカラ-診断では、いつもノ―メイクでの診断を
お願いしている。
彼女は帽子を深めに被り、もうすでに素顔だった。
お化粧を落とすことに、抵抗を感じる方も確かにいる。
けれど、生まれ持った体の色をしっかりと見極めないと
正確な分析がしにくい。
お化粧の色は化学的なもので、その色味は強い。
本来持っていないその色との調和を、優先してしまう結果に
なりかねない。
もって生まれた色で無理なく魅力アップするのが
パ―ソナルカラ-なのだから、まずは素になって
自分と向き合うことが大切なのだ。
「こちらに記入してくださいね」
私は、カウンセリング用紙を彼女に渡し
お茶の準備をした。
お茶を飲みながら、普段のファッションについて
色々と尋ねた。
彼女は黒ばかり着てしまい、色物はなぜか選べない
という悩みを持っていた。
パ―ソナルカラ-診断のお客様のほとんどが
似合う色を知りたい、と来られる。
それは、その人に似合う色=パ―ソナルカラ-なのだから
当然なのだけど、多くの人はその時欲しい色で洋服を選んだりする。
でも結局選べなくて、無難な色のものを手に取ってしまう。。。
彼女の場合、少し心理的影響もありそうだった。
パ―ソナルカラ-についての説明の後
早速診断に入った。
「お肌はクリーム色ですね。瞳は茶系ですが。。。
あ~、どちらかといえばブル―べ―ス系のSummer寄りかな。。。
実際にドレ―プ(色の布)を当ててみましょうね」
赤・ピンク・緑・黄・青・・・・・・
次々と4シ―ズン(診断は春・夏・秋・冬のグル―プに分ける)
の代表カラ-を顔の近くにあてて
鏡に映った顔色の変化を一緒に見ていく。
普段、念入りにお化粧をしていない人でも
スッピンで鏡の前に座り、自分の顔がしっかり
写るとなぜか眼を背けたくなっている。
診断の途中まで、鏡の中の自分と焦点が合っていない
お客様もかなりいる。
彼女もまたそのひとりだった。
「ほら、ここを見てください。この頬の影が濃くなっているでしょう」
「あっ、はい」
私の問いかけで、慌てて鏡の中の自分をやっと見る。
診断を受ける気がないのではない。
それなら、わざわざお金を出してまで来るわけがない。
常日頃、忙しいからと言い訳をしながら、本当の自分と
向き合うことをしていない。
だから改めて見るのが怖い、のである。
心の中のみならず、外見もそうなのだ。
私達は結構、自分を見ているようで見ていないのかもしれない。
見えているだけで、本当には見ていないのかもしれない。
それでも慣れてくると、顔の変化を見ようと積極的になり
終る頃には、ほとんどの方は自分で似合う、似合わないを
見つけられるようになる。
彼女も似合う傾向がわかり、納得もあり、驚きもありの様子だった。
続く