小説 「カラ-リスト マユミ」
フィクションです
Copyrights(C)Takahashi
3-3 カラ-心理テスト
「はじめまして。山中です。お願いします。」
その男性は、少し緊張した表情で軽く頭を下げた。
40代半ばぐらいのサラリ―マン風の男性だ。
「リラックスしてテストを受けてくださいね。難しい質問では
全くありません。ただ好きか、嫌いかを
お答え頂くだけです。」
「はい。」
「時間は10分ほどで終ります。では、早速はじめましょう。」
このカラ-心理テストは、今のありのままの心の状態を
知るテスト。
基本的なパ―ソナリティやその日の気分もわかる。
さらに感情と理性の心の矛盾を明らかにすることで
本人が気が付かない心の闇を照らしていく。
テスト結果をもとに過度な欲求と過度な拒否を分析
それをもとに色々と話をしていくのだ。
「はい、お疲れ様でした。テストと名の付くものは
なんとなく緊張しますよね。これで全て終わりです。
リラックスしてくださいね。
この結果をもとにお話をしていく前に、まずは簡単な
分析チェックをしますので、少しお待ちください。」
彼はやっと緊張が解けてきたのか、二コリと笑みを見せた。
本当にテストの結果は人それぞれ。
彼の場合は、基本的なパ―ソナリティからはそれほど
外れた欲求は出てはいなかった。
けれど、行動面や問題解決への取り組みでは
いつもの彼とは違う一面が現れていた。
「外部に対しての働きかけやリアクションで
現在、非常に強いコントロ―ルを自分でしていませんか?」
「あ~、そうですね。実は今、会社が合弁という形になって
今の上司は別の会社から来た人で、かなり気を使っているので
そういう点ですかね。」
「そうですか。上司の方に気を使われていて、争いごとや
リスクに繋がることを避けようと努力しているのですね。」
「そうですね。やっぱり会社ごとにカラ-があって、私が今いる部署は
その別のほうの会社の人ばかりで、結構大変なんです。」
「気を使われて大変なんですね。それで慎重になったり
自分自身を強くコントロ―ルしている状態なのですね。」
「ストレスで、結構胃が痛くなるんですよ。」
そう言って、彼は顔をしかめた。
「行動面でとても慎重になっている反面、ご自分の本当の欲求が
満たされない時、違う方向にその攻撃性が向いてしまう危険性も
あります。
今は、山中さん、ご自身がご自身を冷静に見ようとされているので
その心配はないとは思いますが。」
「あ~、確かに。。。そうですね。八つ当たりとかしたくなる時も
ありますよ。。。。」
彼はそう言うと笑った。
続く
フィクションです
Copyrights(C)Takahashi
3-3 カラ-心理テスト
「はじめまして。山中です。お願いします。」
その男性は、少し緊張した表情で軽く頭を下げた。
40代半ばぐらいのサラリ―マン風の男性だ。
「リラックスしてテストを受けてくださいね。難しい質問では
全くありません。ただ好きか、嫌いかを
お答え頂くだけです。」
「はい。」
「時間は10分ほどで終ります。では、早速はじめましょう。」
このカラ-心理テストは、今のありのままの心の状態を
知るテスト。
基本的なパ―ソナリティやその日の気分もわかる。
さらに感情と理性の心の矛盾を明らかにすることで
本人が気が付かない心の闇を照らしていく。
テスト結果をもとに過度な欲求と過度な拒否を分析
それをもとに色々と話をしていくのだ。
「はい、お疲れ様でした。テストと名の付くものは
なんとなく緊張しますよね。これで全て終わりです。
リラックスしてくださいね。
この結果をもとにお話をしていく前に、まずは簡単な
分析チェックをしますので、少しお待ちください。」
彼はやっと緊張が解けてきたのか、二コリと笑みを見せた。
本当にテストの結果は人それぞれ。
彼の場合は、基本的なパ―ソナリティからはそれほど
外れた欲求は出てはいなかった。
けれど、行動面や問題解決への取り組みでは
いつもの彼とは違う一面が現れていた。
「外部に対しての働きかけやリアクションで
現在、非常に強いコントロ―ルを自分でしていませんか?」
「あ~、そうですね。実は今、会社が合弁という形になって
今の上司は別の会社から来た人で、かなり気を使っているので
そういう点ですかね。」
「そうですか。上司の方に気を使われていて、争いごとや
リスクに繋がることを避けようと努力しているのですね。」
「そうですね。やっぱり会社ごとにカラ-があって、私が今いる部署は
その別のほうの会社の人ばかりで、結構大変なんです。」
「気を使われて大変なんですね。それで慎重になったり
自分自身を強くコントロ―ルしている状態なのですね。」
「ストレスで、結構胃が痛くなるんですよ。」
そう言って、彼は顔をしかめた。
「行動面でとても慎重になっている反面、ご自分の本当の欲求が
満たされない時、違う方向にその攻撃性が向いてしまう危険性も
あります。
今は、山中さん、ご自身がご自身を冷静に見ようとされているので
その心配はないとは思いますが。」
「あ~、確かに。。。そうですね。八つ当たりとかしたくなる時も
ありますよ。。。。」
彼はそう言うと笑った。
続く