早春の水辺が好きで、いつも春探しに行く手稲区の星置緑地ですが、今年は訪れるのが遅かったのか、春が来るのが早かったのか? その両方なんですが、もはや春探しという感じでは無くなっていました。
ミズバショウは葉が茂り苞が落ち、エゾノリュウキンカはまだ頑張っていますが茎丈が伸び、タネツケバナの花も咲き、種の植え付け時期となっているから当然ですが。
北海道のキクザキイチゲ、普通は白ですが、本州では紫が一般的だそうで、ここではその"本州仕様"が見られるので探したのですが、もう花びらの落ちかけた二輪しか見つからず、昨年この場所で写した花(右)は全て終ったようです。
その代わりに、元気になって来ているのがエンレイソウです。
こちらがオーソドックスなエンレイソウで、この雄蕊に包まれた部分が甘く熟すと秋というわけです。いまから秋の心配してもしょうが無いですが。
こちらがコジマエンレイソウで、こちらは紅い内花被を持っています。
この花は松前町の渡島小島で発見され、渡島延齢草と書き、北海道固有種だそうで、主に道南地方で見られ、札幌近郊で自生するのはここだけだそうで、紫のキクザキイチゲやコジマエンレイソウと、線路下の地味な場所のわりに、ここだけ不思議な空間です。
水辺の生き物の卵を探して目を凝らすと、エゾサンショウウオとエゾアカガエルの卵。
エゾサンショウウオは既にハッチアウトし、太い紐状だった卵嚢の切れ端(?)が見つかっただけで、オチビさんが見当らないのは私の老眼のせいか、身を潜めているのか?
エゾアカガエルの卵もハッチアウトが近い様子で、オタマジャクシ姿が見えています。私のいい加減な知識ですが、エゾサンショウウオが先に孵化するのは、このオタマジャクシを食べるため、と聞いた気がします。
だとしたらそれは食物連鎖の一環だし、エゾサンショウウオは世界中で北海道だけに棲む固有種で、大事に見守ってやらないとね。オタマジャクシには気の毒ですが。
先程のエンレイソウが固まって生えている場所(左)があり、初夏に来た事が無かったので気付かなかった。今年はまた来てみましょう、見応えありそうでちょっと楽しみ。
センノキ(ハリギリ)が成長中、私は食べた事ないですが、今時期の若い芽は食用になり、エグミが強いので木灰で茹で長く晒すそう。そこまでして食べるの?と思われるかも知れませんが、子供の頃は今のような流通網は無く、雪の時期の野菜と言えば根菜類か漬け物、新鮮な青物を欲していたあの頃の北海道人の気持ちは良くわかります。
あの頃から思うと今は、季節感なく色々な野菜が並び、ハウスで育てるためエネルギーを使い、海外から輸入し…と、これ地球に優しく無いんじゃない?と思いつつ、それを買って食べている私が言える筋合いでは無いのですが。 と、また話は脱線しましたが。