男女混成のコーラスなら、P.P&Mからシンガーズ・アン・リミテッドまでいくつか思い浮かぶけど、私がよく調和した美しいハーモニーだなと感ずるのは、1番がカート・ベッチャーの結成したゴールド・ブライアーズ、次が僅差でザ・シーカーズかな。
ただ前者がスタジオワークも駆使したコーラスらしいので、ライブではシーカーズが1番という事になるかな?コーラスにウンチク垂れる程の知識は無いのですが、素人の感想で。
60年代初めのアメリカでのフォークソングのブーム、その様式がイギリスや日本でも真似られ、ギターを抱えた若者が多く出てきたのは、60~70年代青春の世代ならご存じの通りですが、その頃オーストラリアからイギリスに渡り、全英や全米、日本でもでヒットを飛ばし、オーストラリア初の世界的な人気グループになったのが、そのザ・シーカーズ。
紅一点のヴォーカル、ジュディス・ダーラムが独立し、グループを離れるまで4年程の活動でしたが、その間に全英チャート3位以内に入る曲を5曲、全米チャートでも100位内に4曲。中でも「ジョージー・ガール」は全英、全米ともに大ヒットし、日本でも90年代後半に何かのCMにも使われたりと、息の長い人気曲です。
そのCMが流れていた頃に発売された日本のベスト盤、ジャケットの裏と表がセットになっていて、可愛かったので気に入っています。でもこのイラストレーターさん、他でも見た気がするのですが、お名前の記載が無くて残念でした。
この曲の他にも、同じトム・スプリングフィールドの書いたデビュー曲「恋はたったひとつ」や2枚目の「二人の世界」なども爽やかで好きです。トム自身のバンドも男女混成だったので(妹のダスティ・スプリングフィールドが在籍)、混成コーラスのツボを押さえていたのかも知れません。
6枚目の「朝日の街に陽が昇る」も好き。マルビナ・レイノルズは苦手な作曲者ですがこの曲は佳曲。 間違って4時頃に目覚めた夏の朝、この曲を口ずさみながら散歩も良いかも知れない、新聞配達さんに会釈しながらさ… ま、妄想するだけで実際はまた布団に潜り込むのしょうけれどね。
私にとってこのグループの魅力は、まずジュディス・ダーラムの声。
ソロwithでは無くグループでの立ち位置をしっかり把握し、妙なビブラートもメリスマも付けず素直に伸びる声。青空に吸い込まれるようなその声がとても好きです。
声が適度に濁っていてるのも温かく感じられ好きです。蒸留水を飲まされるような澄んだ(?)声とは違うし、男性3人の声もこれに近く適度に濁り、グループの声質が揃っている。もうこれはポップスに必要なドーパミンが出てくるコーラス。
フォークソング・ブームの頃は女性シンガーを指し、フォークの女王とか女神とか妖精と呼ばれる人達がいましたが、彼女はもっと身近な ”学校のアイドル" 的な存在かな?私には。
それらのオリジナル曲が彼女達の魅力を引き出した一方、シングルB面のトラディショナル曲や、「夢のカルフォルニア」、「風は激しく」などのカバー曲は、どうしてもオリジナルと比べてしまって、当時の私にはちょっと微妙でしたが。
それも時間が経って今は懐かしく、またネットでの情報も多くなり、古い映像を見るとあの時代を共有していた事が嬉しく、再結成し活動している2000年代の映像となれば、わぁ!元気でした?と、知り合いの如く声をかけたくなります。2013年のコンサート・ツアーでは全員が70歳オーバー。⇒ https://www.youtube.com/watch?v=pBaO6ro1CUc
素敵ですね、皆さん楽器の腕も声もまったく年齢を感じさせません。
今も綺麗なハーモニーはそのままで、私のアイドルさんは少しお歳は召されましたが、音楽活動などを通じ奉仕活動などでもご活躍されていて、2015年にはその功績で賞を授与されたそうです。そしてメンバーの皆さん全員が、とても良い歳を重ねてきているのが伝わってきて、自分の事のように嬉しいです。
私には歌も楽器も何にもできないけれど、いつまでも背筋をきちっと伸ばし、前を向く姿勢は見習わなくては!明日の元気をもらいました、ありがとう、シーカーズの皆さんに感謝。ちなみに明日3日は、ジュディス・ダーラムさんの誕生日。一日早くおめでとうございます。
以上は2021年7月に以前のブログで書いたものです(一部加筆)。それがなんとその翌年の2022年8月5日にジュディスさんが79歳で亡くなられていたと知り、たいへん、残念な事でした。
どうか、ご冥福をお祈りいたします。