daddy-kのいきあたりばったりⅡ

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ヴェルベッツ/愛しのラナと夢のお月様

2023-08-29 | 音楽つれづれ

ポップスにのめり込み始めた頃、ラジオから流れていたザ・ヴェルベッツの「愛しのラナ」。

ノリが良くOh La-Lanaのファルセットが粋で大好きになりましたが、この曲アメリカではヴェルベッツ3枚目のシングルとして発売された「LAUGH」(1961年)のB面の曲だったそう。そのA面の曲「LAUGH」は、この時全米ポップ・チャートの最高90位止り。

それが2年後の1963年、日本でA/B面を入替えて発売すると日本だけの大ヒットに。

発売された時差から思うに、ボツのレコードの中から売れ筋を物色していた誰かラジオDJがこれを見つけ、アメリカではダメでも日本ではウケけるとプッシュしたのでしょう。

こうした日本の独自のヒットや、同じくA/B面入替えでヒットした、ケーシー・リンデンの「悲しき16歳」など、日本人好みを的確に嗅ぎつけた当時のラジオDJの嗅覚に感謝です。

これに続けと同年「夢のお月様」が発売され、これも人気曲となったのですが、元はこの曲、アメリカでは2枚目シングルとして1961年に発売され、全米ポップ・チャート26位と彼ら最大のヒットとなり、そのとき日本でも「今宵こそは」のタイトルで発売されたそうですが、残念ながら不発で終わり廃番に。それが「愛しのラナ」のヒットで復活したのだそうです。

その邦題もヒットに一役買った? 当初は原題の「TONIGHT(Could Be The Night)」に沿った「今宵こそは」は不発でしたので、原題とは関係なく"夢" "お月様" と付けたのが効いた気がします。前回書いた「嘆きのビンボー」変じ…と同じように。

この曲の作詞作曲はリーダーのヴァージル・ジョンソン。彼は高校教師として教える傍ら生徒を集めコーラス・グループを結成。生徒が卒業すると同時に職を辞し、生徒と共にショー・ビジネスの世界の飛び込んだと言う、なんとも楽しい先生だったようです。

 

そんな彼らは10枚足らずのシングルと、全30曲の録音を残すのですが、ヒットの数の割にファンが多いようで、LP時代の80年代に大瀧詠一監修と銘打ち、彼らの全曲集が発売された事がありました。

さすがにLPで片面15曲詰め込むとカッティング・レベルが浅く感じられ、CDの発売と共に買替えましたが、その後イギリスのACEレーベルなどからも"全曲集"が出て、今思うとあのレコードが世界初の快挙だったはず。手放さなけれは良かったと今になって後悔。

さてこれらの曲、私は60年代の日本のカバーポップスで聞いた記憶は無いのですが、1980年のキングトーンズのアルバム、「ザ・ベスト・オブ・ザ・キングトーンズ」の中で「夢のお月様」を「Doo-Wop Tonight」のタイトルで歌っていて、プロデューサーは大瀧詠一さん。

オールディズ・ブームの80年代、J-R&Bの円藤一成が同名異曲の「愛しのラナ」を発売。ソウルフルな歌声の彼だから、きっと彼もヴェルベッツのファンだったのだろうな。

そして「愛しのラナ」を書いたのがロイ・オービソン。彼のライヴ映像も残っていて嬉しい!

 

以上、【聞きたい365日第359話】でした。