彼岸も過ぎて札幌もようやく雪から雨への季節へ。あちこちで雪割り・氷割りをやっていて、放っておいてもそのうち溶けるのは承知の上で、より早く春が訪れますようにと雪を割る気分は、半年を雪と過ごした人ならわかるはず。
理科の時間に固体と液体を習った小学生、では氷が溶けると何になりますか?に 「春になる」 と答えたと言うのは雪国あるあるのジョークですが、そんな春を待つ気分とは関係なく、今日3月21日はアーリー・ソウル期から活躍したソロモン・バークの誕生日。
まだR&Bもソウルも区別がつかなかった私が、ソウル・ミュージックと意識したのはサザン・ソウルからでした。
巨人オーティスが飛行機事故で亡くなり、その後に発売された「ドック・オブ・ザ・ベイ」がヒットした辺りから彼のアルバムを集め出し、サザン・ソウルが好きになってそこから手を拡げ、サム・クックにも夢中になり、ゴスペルの世界にも足を突っ込んだっけ。
そんなこんなで一端のマニアになった気分で、アーリー・サザンまで手を広げてみたのですが、ジャッキー・ウィルソンやレイ・チャールズなどは私には少し敷居が高かったなぁ…その中でいま手元に残るのはソロモン・バークくらいなのですが。
カントリーも好きな私にとってとっつき易かったのはジャスト・アウト・オブ・リーチ」などソフトに唄われるカントリー・バラード風の曲でしたが、すぐに「ザ・プライス」のようなゴスペル・タッチの曲も気に入り、一時はそこそこ聞いていた事を懐かしく思い出します。
ソフトな語り口とヘヴィーなゴスペルタッチ、長く付き合えそうとその後も何枚かのLPを買ったのですが、なにか多くの曲がシンキング・プリチャーの語り口に聞こえ、ちょっと私にはいささか重たく、結論、ベスト盤のCD一枚あればいいかなぁ?と。
でも「アトランティック・リズム&ブルース1947-1974」に何曲か取り上げられているのは、ヒットを飛ばした証でこの会社にとって大事な一人である事の証。
そうしたトップスターを集め、「ソウル・クラン」名義で吹込まれた「THAT’S HOW IT FEELS」という曲で、A.コンレー、B.E.キングに続きソロをとるS.バークはさすが貫禄があり、あとに続くD.コヴェイ、J.テックスと合わせた3分33秒は、ソウル・ファンにとっては至福の時間でした。
5人ともすでに故人となられたのですが、今は空の上で再会し、たまには一緒に歌っているのでしょうか。
以上、【聞きたい365日】 第373話でした。