いま私は、コーヒーはまったく口にしないのですが、昔は外回りの営業をやっていたので、時々サボ…次のアポの時間調整のため、止むを得ず?喫茶店でお茶していました。
その頃はよく置いてあった大人向けマンガ雑誌を読んでいましたが、あの当時のはら たいらさんの「モンローちゃん」とか、谷岡ヤスジさんの「メッタメタガキ道講座」とかは、軽くて面白く、短い時間でサクッと楽しめたので記憶にあります。
残念ながら、もうお二人とも故人になられましたが。
その頃か前後するか定かではないのですが、秋竜山さんの「OH☆ジャリーズ」なんかもあったと思うのですが、すぐ面白いというより、後でジワジワ来る面白さの漫画家で、単行本で読んだ「秋竜山のロビンソンクルーソー」が、特に印象に残っています。
氏がコツコツと孤島マンガを一千作も書かれ、それを記念し銀座で個展を開かれたそうですが、この本ではそこからセレクトされた236作が載っていて、当時夢中になった(今も大好きですが)星新一さんのエッセイ「進化した猿たち」の中の、アメリカの孤島1コマ漫画蒐集の話で紹介されていたと記憶します。
ともかく掲載された一つ一つが面白く、なにやら虚無的だったり能天気だったりする姿が氏の独特のタッチで描かれ、例えば560番目の作品「おもい出し笑い」では、一坪も無い孤島で、男が一人で大笑いをしている姿だったり、300番目の作品では「もう誰もこないだろう。シャッターおろすか…」と、遭難者然とした男がなぜかシャッターを下ろしていたり…
必ずしも孤島に一人では無くて、このヤシの木が一本だけ生えた一坪足らずの島に、何人もの男が密集していたり、愛人?妻?とおぼしき女性がいたり、その前後を想定してみると本当に面白くて、今も時々読み返しています。
今朝朝刊に目を通すと、秋竜山さんの訃報が載っていました。
今月の6日に亡くなられていたそうですが、どうぞ安らかにお休みになって下さい。 今まで楽しませていただき、本当にありがとうございました