daddy-kのいきあたりばったりⅡ

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リタ・クーリッジ/愛を知りとき

2023-05-01 | 音楽つれづれ

いつものようにレコードを漁っていた70年代初め、店頭で流れてくる「愛を知りしとき」が気になり、スタッフさんに誰の歌か聞いた所「リタ・クーリッジです」と。

名前は知っていましたが、当時まだレオン・ラッセルやデラニー&ボニーなどのサザン・ロックには興味が無く、リタ・クーリッジもそんな一派のあの娘ね?と思っていました。 レオン・ラッセルに「デルタ・レディ」と歌われた彼女、デルタの意味が地形の事では無いらしい…と知り、レオン・ラッセルにも少し興味が湧いたのはその後の事ですが。

その時流れていたアルバムが「フル・ムーン」で、これはクリス・クリストファーソンとのデュエットアルバムで、クリスもあまり得意ではない私はちょっと躊躇しましたが、続いて流れて来た「愛のひととき」なども気にいったので結局購入。

帰ってからじっくり聞くと、全体を通し何とも幸せな空気が伝わって来て、結構ヘビー・ローテーションで聞き、前作の「レディス・ノット・フォー・セール」も買って、ここでまた、「バード・オン・ザ・ワイアー」が好きになり、妙なメリスマを回す事の無い素直な歌い方や声、彼女の魅力にどっぷりとハマる事になります。

余談ですがこのアルバム、カーリー・サイモンの「ノー・シークレット」と並ぶドキッとしたジャケットでした。とは、まだ20代前半の頃でしたのでご勘弁を。

 

そこからは新作が出るたびに買いました、「愛の訪れ」に「イッツ・オンリー・ラブ」、遡ってデビュー作と二作目の2in1CDも買ってと、もうリタ・クーリッジ 賛江 って感じで。

そして、アルバムを制作していたデビット・アンダーレがまた良かった。

リタに合った曲を選ぶセンスが良く、「愛を知りしとき」を書いたポール・ウィリアムス、「バード・オン・ワイヤー」を書いたレナード・コーエンに、「汽車を待つ無法者のように」(彼女のアルバムでは「さすらい人の歌」)のガイ・クラーク、そして曲の提供やギターで参加のマーク・べノや、デキシー・フライヤーズと、私はすべて彼女のアルバムで知った人達で、とても良い選曲と人選に感謝。

「フル・ムーン」と同じくリタとクリスの二人が歌い、次に吹き込んだのがA&Mではなくモニュメントで、これも期待して買ったのですが、これはまったく趣味に合わず、早々に手放しましたが、こんなにも製作者やスタジオ、バックのミュージシャンが違うと別物になるんだ!と驚いたものでした。

 

やがて、70年代後半のアルバムになってくると、相変わらず彼女の声は好きでしたが、楽曲がAORっぽくなってきて、いささか食傷気味…のところにダメを押したのは、当時の某スーパーのCMソング「美しい人」で、これには心底ガッカリ。

彼女に歌謡曲は合わな過ぎて…でも当時、CMに起用されるくらい、一般の知名度は上がっていたという証でしょうけど。

一時あんなに好きだったリタ・クーリッジですが、私にとって最後の1曲となったのは、ピーター・アレン作の「あなたしか見えない」で、先に歌っていたメリサ・マンチェスターのややドラマチックな歌い方も良いけど、私はリタの抑えた感じが好きで、東京音楽祭で歌われ日本ではメリサ以上にヒット、久々にリタに合った曲と感じ嬉しかったのです。※東京音楽祭でのライブ映像がありました⇒ https://www.youtube.com/watch?v=y4q6z9KsTFw 伊東ゆかりも歌い、おお彼女久々の洋楽カバー!と嬉しかった事も思い出して、歌詞に「キスも上手くないわ…」とあり、そこは大人の恋だから色々ねぇ、とレナード・コーエンの「チェルシー・ホテルで」まで思い出してしまうのは、ジジィだからご勘弁を。

 

今日5月1日は、"デルタ・レディ"リタ・クーリッジの、70ゥン歳のお誕生日なので、彼女の事を思いつくまま書いてみました。 以上【聞きたい365日 第348話】でした。

【関連の過去ブログ】 2022/08/13 汽車を待つ無法者のように



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