22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比138ドル高の3万8001ドル(速報値)で引け、史上最高値を前週末に続いて更新したとのこと。
週刊ダイヤモンド最新号を読んでおりましたら、ニッセイ基礎研究所・井出真吾チーフ株式ストラテジストの「2024年日経平均「バブル後最高値3万5000円」がメインシナリオだが“年前半”は要注意」という記事が目に留まった。
井出氏とは面識はあるが(向こうは忘れているだろうが)メディア出演も増え、堂々たるご活躍ぶりだ。
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2023年12月27日「日経平均バブル後高値更新3万5000円へ~2024年の株価見通し~」
私が注目したのは、「4―リスクは米国景気の急減速」だ。
米国景気と株価に関して、井出氏が指摘していることはざっくりこんな感じ。
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◆米国景気が底堅さを維持できるかどうか
・超過貯蓄(コロナ禍の外出自粛で使わずに済んだお金)や給付金などが消費を下支え、23年の米国消費は市場の想定以上に堅調に推移。
・しかし、さすがに米国民にインフレ疲れが出てきたのか、ミシガン大学消費者信頼感指数が4カ月連続で低下。消費者マインドは悪化傾向。
・10月米小売売上高は前月比0.1%減と、23年3月以来7カ月ぶりに減少。しかも内訳をみると家具やスポーツ用品など不要不急のモノは減少幅大。
・クレジットカードの延滞が延滞が急増、23年10月に返済が再開した学生ローン(奨学金)の延滞率が6割。
◆株価はファンダメンタルズでは説明できない水準まで上昇
・S&P500ベースの23年の予想EPS(1株あたり純利益)は23年1月時点よりも低い。24年は23年より改善が見込まれているものの、やはり緩やかな低下傾向が継続。しかし、株価は22年末から23%上昇した(23年12月25日時点)。NASDAQに至っては予想EPSがほぼ横ばいなのに株価は43%の上昇だ(同)。
2023年12月27日「日経平均バブル後高値更新3万5000円へ~2024年の株価見通し~」
私が注目したのは、「4―リスクは米国景気の急減速」だ。
米国景気と株価に関して、井出氏が指摘していることはざっくりこんな感じ。
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◆米国景気が底堅さを維持できるかどうか
・超過貯蓄(コロナ禍の外出自粛で使わずに済んだお金)や給付金などが消費を下支え、23年の米国消費は市場の想定以上に堅調に推移。
・しかし、さすがに米国民にインフレ疲れが出てきたのか、ミシガン大学消費者信頼感指数が4カ月連続で低下。消費者マインドは悪化傾向。
・10月米小売売上高は前月比0.1%減と、23年3月以来7カ月ぶりに減少。しかも内訳をみると家具やスポーツ用品など不要不急のモノは減少幅大。
・クレジットカードの延滞が延滞が急増、23年10月に返済が再開した学生ローン(奨学金)の延滞率が6割。
◆株価はファンダメンタルズでは説明できない水準まで上昇
・S&P500ベースの23年の予想EPS(1株あたり純利益)は23年1月時点よりも低い。24年は23年より改善が見込まれているものの、やはり緩やかな低下傾向が継続。しかし、株価は22年末から23%上昇した(23年12月25日時点)。NASDAQに至っては予想EPSがほぼ横ばいなのに株価は43%の上昇だ(同)。
主な理由は、23年の米国景気が想定以上に底堅く推移したこと、FRBの利上げ終了と24年の利下げ開始が視野に入ったことだが、ファンダメンタルズでは説明できない水準まで上昇。
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こういうリスク情報をしっかり提示してくれるアナリストに対しては私は敬意を表します。
アプローチは全く違いますが、拙稿「人生設計の基本公式 ~新NISAを始める前に」で取り上げた森永卓郎氏の見立ても米国株はバブルではないかと。
そして、最近の日経でも気になる記事がありまして、1月21日「増えすぎた米ユニコーン」。10年で社数は532社と13倍、低金利で膨張も金利上昇局面に入って潮目が変わってきていて経営難も目立つと。
新規株式公開(IPO)やM&A(合併・買収)といった投資回収の「出口」に到達している割合は13年の約7割から、23年は7%に低下。「24年は突然の破綻がもっと増える」とみられている。間違いなくユニコーン・バブルは崩壊しつつあるのでしょう。
拙稿「米国流「ガバナンス」が企業を弱くする」で示した、米国型のエコシステムに変調が生じ始めているのかもしれないですね。すなわち、
米国は、会社法、税法、会計基準やコーポレートガバナンスまでありとあらゆる仕組みが短期的投機家にとって都合のよいエコシステム(生態系)になっている。だから、会計基準は時価主義、のれん非償却、包括利益でM&Aがしやすくなっているし、経営者も従業員も頻繁に会社を渡り歩くのだ。
米国では今でもグーグルやアップルが研究開発に巨額資金を投じているように感じるかもしれないが、やっていることの大半はベンチャーの買収である。米国ではベンチャーが研究開発を支え、大企業がM&Aで吸収する仕組みがある。
GAFAMなどの大企業の成長戦略までどの程度ダメージを与えていくのか要注目ですね。
可能性は低いのでしょうが、仮に大暴落が起きた場合、消費などへのダメージから実体経済が急激に悪化、溜まりにたまった「のれんの減損」という地獄のフルコースに陥るのかもしれない。まさに拙稿「ウォータード・スットック」の恐怖、ここに極まれり!
・・・まぁ、ここまで書くと、お前はどこまで弱気なんだ!と言われそうですけどね。
実際、弱気派なもんで。
最終的に投資判断は自己責任でお願いしますが、このタイミングでの新規投資は私ならオススメしませんね。
それではまた!
有難うございました。
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こういうリスク情報をしっかり提示してくれるアナリストに対しては私は敬意を表します。
アプローチは全く違いますが、拙稿「人生設計の基本公式 ~新NISAを始める前に」で取り上げた森永卓郎氏の見立ても米国株はバブルではないかと。
そして、最近の日経でも気になる記事がありまして、1月21日「増えすぎた米ユニコーン」。10年で社数は532社と13倍、低金利で膨張も金利上昇局面に入って潮目が変わってきていて経営難も目立つと。
新規株式公開(IPO)やM&A(合併・買収)といった投資回収の「出口」に到達している割合は13年の約7割から、23年は7%に低下。「24年は突然の破綻がもっと増える」とみられている。間違いなくユニコーン・バブルは崩壊しつつあるのでしょう。
拙稿「米国流「ガバナンス」が企業を弱くする」で示した、米国型のエコシステムに変調が生じ始めているのかもしれないですね。すなわち、
米国は、会社法、税法、会計基準やコーポレートガバナンスまでありとあらゆる仕組みが短期的投機家にとって都合のよいエコシステム(生態系)になっている。だから、会計基準は時価主義、のれん非償却、包括利益でM&Aがしやすくなっているし、経営者も従業員も頻繁に会社を渡り歩くのだ。
米国では今でもグーグルやアップルが研究開発に巨額資金を投じているように感じるかもしれないが、やっていることの大半はベンチャーの買収である。米国ではベンチャーが研究開発を支え、大企業がM&Aで吸収する仕組みがある。
GAFAMなどの大企業の成長戦略までどの程度ダメージを与えていくのか要注目ですね。
可能性は低いのでしょうが、仮に大暴落が起きた場合、消費などへのダメージから実体経済が急激に悪化、溜まりにたまった「のれんの減損」という地獄のフルコースに陥るのかもしれない。まさに拙稿「ウォータード・スットック」の恐怖、ここに極まれり!
・・・まぁ、ここまで書くと、お前はどこまで弱気なんだ!と言われそうですけどね。
実際、弱気派なもんで。
最終的に投資判断は自己責任でお願いしますが、このタイミングでの新規投資は私ならオススメしませんね。
それではまた!
有難うございました。