シャープについては、9月30日の記事で、1Q決算で「その他営業外費用」が多すぎて、本当にこの営業利益を信じられるか?という指摘をさせて頂きました。
では2Q決算はどうか。
決算短信を見てみると・・・。
営業利益は338億円と大幅改善。しかし支払利息90億円、そして営業外費用「その他」が303億円もあり、経常利益は32億円と辛うじて黒字を維持した形。
相変わらず、「その他」の内訳開示なし。一体何なんですかね?この開示スタンスは?
まぁ、利益ばかり見ても仕方ないので、キャッシュフローを見てみましょうか。
営業活動キャッシュフローは前期が▲1,078億円と大幅赤字でしたが、この上期は▲200億円まで縮小。それでもまだキャッシュベースでは黒字を確保できていないことには留意が必要です。いわずもがなですが、利益よりキャッシュフローの方が正直ですね。
ではそれをどうファイナンスしたのか。
財務活動キャッシュフローを見ますと、新株予約権付社債の償還資金2,000億円と共に長期借入1,796億円、短期借入592億円で賄った形となっておりまして金融機関のそれなりにサポートしているようです。ただし、気をつけなくてはならないのは投資活動キャッシュフローの中で、借入れた資金の一部が定期預金に199億円回っていること。一部金融機関が保全を強化していると見ることができます。
とりあえず3Qでの増資1,191億円で一息付けそうですが多額の債務には焼け石に水。
FACTA誌は相変わらずシャープ再建に懐疑的な見方をしておりますし、債務の返済原資たるキャッシュフロー生成能力を一体どう引き上げていくのか大いに関心があります。
今回の増資資金が本業にとって生きたカネとなるのか、ただ単に借入金の返済に回されて出資者が馬鹿を見るのか。後者だとまさにFACTA誌の思うツボか。今後はキャッシュフロー計算書を今まで以上にしっかり見ていく必要がありそうですね。