お疲れさまです。
まずは朝日新聞記事
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■時価会計の緩和決定 さらなる緩和も議論 会計基準委■
会計基準を決める「企業会計基準委員会」は28日、証券化商品や国債など
株式を除く金融商品への時価会計適用の緩和を正式に決めた。
市場価格が急落した金融商品は、時価評価せずに済むようになる。
保有目的の変更で時価評価しないで済むようにする緩和策の議論も開始。
1カ月程度で正式決定する見通しだ。
時価会計緩和が進む欧米に歩調を合わせた措置で、
政府が27日からとりまとめを始めた市場安定化策の柱の一つ。
会計ルールでは、金融商品は市場で決まる「時価」を使うのが原則だ。
だが、世界的な金融危機で、買い手がつかなくなった証券化商品の「時価」は
暴落。日米欧の金融機関は決算のたびに多額の損失計上を迫られている。
緩和策では、市場で売買が成立せずに投げ売りとなっている金融商品について
「時価」ではなく、配当予想などを基に算出した価格を使うことを認める。
また保有目的を、時価評価が必要な「売買目的」から、より緩やかな
「満期保有目的」などに変更することを容認する措置も議論を始めた。
欧州では同じ措置が今月、既に導入されている。
(引用終わり)
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・・・ということで、ここでも日本は晴れて欧米の仲間入り。
コンバージェンス(収斂)が完成。
しかし、まぁ、本当に良かったのでしょうか。
元日経記者で総合情報誌「ザ・ファクタ」の阿部編集長が
まさにこの時価会計「凍結」に関する異議を唱えておりますのでご参考下さい。
↓
時価会計「凍結」の愚
以上は、時価会計「凍結」への批判でありますが、私はもう一歩踏み込んで、
そもそも「時価会計」は本当に必要なのだろうか?とさえ考えております。
そんなとき、以前読んだこの本を思い出しました。
時価会計研究の第一人者であると、私は勝手に思っている方です。
2002年と少し古い本ですけどね。
この本にこんな記述があるんですが、
個人的には非常に気に入っております。
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改めて、会計とはなにかを考えてみたい。
果たして、ギャンブラーのための会計(時価会計)は会計の仕事であろうか。
企業がマネーゲームに血眼になっているときに、会計が律儀にも、
そのマネーゲームの損益を計算してやるなんていうのは、
こっけいなだけではなかろうか。
会社のやることは何でも、会計的に全て正当化する必要があるのだろうか。
私はそんな必要はないと思っている。
会計も監査も「できること」「できないこと」「しないこと」があることを、
ハッキリ示すべきである。
ギャンブルに手を染めている会社に対しては、監査報告書において
「この会社はギャンブル性の高いデリバティブに手を出していて、
そのデリバティブについては客観的なリスクの評価ができません」
というメッセージを出すだけに留める。
それが、投資家に対して、
もっとも情報価値があり、かつ誠実なメッセージになるでのはないだろうか
(以上、同書p355~p.356より引用)
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まっ、もう決まっちゃったので今更どうこう言えませんが、
時価会計凍結の恩恵を受ける会社については、最低限、
その旨、影響額(ルール変更により時価評価を免れた額)が
はっきり分かるような開示をしてもらいたいですよね。
しかし、大恐慌時で問題となったご都合主義による会計ルール変更。
結果として資本を水増ししたことから「ウォータード・ストック」と揶揄されましたが、
約80年の時を経て、再現してしまいましたね・・・・・・。
歴史は繰り返す。
・・・・・ということは、やっぱり、今って恐慌なんですかね?
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
本日の1曲。
何だかんだで、結構ヘコんだり憂鬱になったりと
スッキリしない日々が続いているので
久々に「癒し系」を入れることにしました。
中 孝介 「花」(歌詞付き)
まずは朝日新聞記事
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■時価会計の緩和決定 さらなる緩和も議論 会計基準委■
会計基準を決める「企業会計基準委員会」は28日、証券化商品や国債など
株式を除く金融商品への時価会計適用の緩和を正式に決めた。
市場価格が急落した金融商品は、時価評価せずに済むようになる。
保有目的の変更で時価評価しないで済むようにする緩和策の議論も開始。
1カ月程度で正式決定する見通しだ。
時価会計緩和が進む欧米に歩調を合わせた措置で、
政府が27日からとりまとめを始めた市場安定化策の柱の一つ。
会計ルールでは、金融商品は市場で決まる「時価」を使うのが原則だ。
だが、世界的な金融危機で、買い手がつかなくなった証券化商品の「時価」は
暴落。日米欧の金融機関は決算のたびに多額の損失計上を迫られている。
緩和策では、市場で売買が成立せずに投げ売りとなっている金融商品について
「時価」ではなく、配当予想などを基に算出した価格を使うことを認める。
また保有目的を、時価評価が必要な「売買目的」から、より緩やかな
「満期保有目的」などに変更することを容認する措置も議論を始めた。
欧州では同じ措置が今月、既に導入されている。
(引用終わり)
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・・・ということで、ここでも日本は晴れて欧米の仲間入り。
コンバージェンス(収斂)が完成。
しかし、まぁ、本当に良かったのでしょうか。
元日経記者で総合情報誌「ザ・ファクタ」の阿部編集長が
まさにこの時価会計「凍結」に関する異議を唱えておりますのでご参考下さい。
↓
時価会計「凍結」の愚
以上は、時価会計「凍結」への批判でありますが、私はもう一歩踏み込んで、
そもそも「時価会計」は本当に必要なのだろうか?とさえ考えております。
そんなとき、以前読んだこの本を思い出しました。
時価会計研究の第一人者であると、私は勝手に思っている方です。
2002年と少し古い本ですけどね。
時価主義を考える[第3版]田中 弘中央経済社このアイテムの詳細を見る |
この本にこんな記述があるんですが、
個人的には非常に気に入っております。
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改めて、会計とはなにかを考えてみたい。
果たして、ギャンブラーのための会計(時価会計)は会計の仕事であろうか。
企業がマネーゲームに血眼になっているときに、会計が律儀にも、
そのマネーゲームの損益を計算してやるなんていうのは、
こっけいなだけではなかろうか。
会社のやることは何でも、会計的に全て正当化する必要があるのだろうか。
私はそんな必要はないと思っている。
会計も監査も「できること」「できないこと」「しないこと」があることを、
ハッキリ示すべきである。
ギャンブルに手を染めている会社に対しては、監査報告書において
「この会社はギャンブル性の高いデリバティブに手を出していて、
そのデリバティブについては客観的なリスクの評価ができません」
というメッセージを出すだけに留める。
それが、投資家に対して、
もっとも情報価値があり、かつ誠実なメッセージになるでのはないだろうか
(以上、同書p355~p.356より引用)
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まっ、もう決まっちゃったので今更どうこう言えませんが、
時価会計凍結の恩恵を受ける会社については、最低限、
その旨、影響額(ルール変更により時価評価を免れた額)が
はっきり分かるような開示をしてもらいたいですよね。
しかし、大恐慌時で問題となったご都合主義による会計ルール変更。
結果として資本を水増ししたことから「ウォータード・ストック」と揶揄されましたが、
約80年の時を経て、再現してしまいましたね・・・・・・。
歴史は繰り返す。
・・・・・ということは、やっぱり、今って恐慌なんですかね?
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
本日の1曲。
何だかんだで、結構ヘコんだり憂鬱になったりと
スッキリしない日々が続いているので
久々に「癒し系」を入れることにしました。
中 孝介 「花」(歌詞付き)
時価会計凍結の恩恵を受ける会社については、最低限、
その旨、影響額(ルール変更により時価評価を免れた額)が
はっきり分かるような開示をしてもらいたいですよね。
⇒たしかにその通りですね。
田中氏の「この会社はギャンブル性の高いデリバティブに手を出していて、 そのデリバティブについては客観的なリスクの評価ができません」というメッセージを出すだけに留める。というのについてはそもそもどこまでがギャンブルでどこまでがギャンブルじゃないという線引きが難しいですよね。
これから経済の主軸がアジアに移るにつれてアジアでの証券化は発展すると思います。国の規制が厳しいのでアジアでの債権市場でアジア圏内で資金調達の為に証券化を行いたいはずですから。健全な証券化は必要とされてるわけです。しかし次にあればバブルだったんだという現象がおきるのならアジアの土地を中心とした証券化が発端になるのじゃないかな~なんて考えています。
話は変わって前にNHKの「監査法人」のコメントを面白く読ませて貰っていました。現在BS-i水曜日夜10:00からやっている「女子大生会計士の事件簿」のコメントを行ってくれると面白いのですが。
もっともこれはコメディ色が強いので本気でつっこむと紙面が足らないでしょうが・・・