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会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

2006年 会計10大ニュースに思う

2006-12-28 | 会計・株式・財務

いつもご覧下さり誠に有難うございます。
さて、本日のネタは、日経金融新聞に掲載されていた
「06年 会計10大ニュース」をご紹介。

関連する公式サイトと、全く参考にならない拙稿(あれば)を掲げておきました。
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10位 4大監査法人に初めての業務改善命令(7月)
    監査厳格化を加速させるきかっけになりました。

       「監査法人に対する業務改善指示について」
    http://www.fsa.go.jp/news/18/syouken/20060707-6.html

    全く関係ないのですが、私はこんな記事も書きましたっけ。
    <参考の拙稿>証券アナリスト対監査法人? ―監査法人を「監査」したレポートに思う
       http://blog.goo.ne.jp/dancing-ufo/e/c7436fa232836b2b62bc974b68cdff5b


  9位 NEC、米SEC向け決算書を提出できず、日本基準に切り替え
     ソフトウエアや保守サービスなどを複数年にまとめて受注する「複合契約」について
     取引データの統計的分析が欠けていたため。

     <参考の拙稿>ピンチヒッター,日本基準! -NECの中間決算に思う
     http://blog.goo.ne.jp/dancing-ufo/e/73a1d9ac1585cd1dfe87d19b103b9a7c


  8位 監査法人改革へ金融審議会が最終報告書(12月)
     監査法人に対する課徴金制度や業務改善命令、役員解任命令の導入など行政処分を強化。
     不正発見時の監査役や金融庁への通報も義務付けた。
     焦点の刑事罰の導入については今後の検討課題に。

     「-公認会計士・監査法人制度の充実・強化について-」
              (金融審議会公認会計士制度部会報告)
      http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20061222.pdf


  7位 四半期レビュー制度(09年3月期から)の基準案公表(11月)
     決算情報の正確性が今まで以上に問われるため、企業側に負担?

     四半期レビュー基準の設定について(公開草案)
      http://www.fsa.go.jp/news/18/singi/20061121-1.pdf


  6位 上場会社の監査に登録制(12月)
 .    日本公認会計士協会が定期検査で問題があった監査法人などをウェブサイトで公表。
      監査の品質管理に不備がある法人に改善を促す。

 5位  会計基準国際化に工程表(10月)
     日本の会計基準と国際会計基準との共通化を進めるための作業の「工程表」が公表。
     会計の2009年問題対応の一環。EUが日本基準との重要な差異として指摘した26項目が
     解消したか否かを08年春に再検証する予定。
     
     <参考の拙稿>会計基準コンバージェンス(収斂)工程表に思う -○○○○も後押し?-
      http://blog.goo.ne.jp/dancing-ufo/e/a7af45dce71ba1ef5456a7d2fa4f0816


  4位  内部統制基準案を公表(11月)
      日本の基準は米国SOX法と比較して企業に過重な負担をかけないよう配慮している
     とのことで、青山学院大学大学院・八田進二教授の
    「日本の制度はゆるゆるのルーズソックス(sox)」とのコメントは笑えます。

     財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(公開草案)
      http://www.fsa.go.jp/news/18/singi/20061121-2.pdf


  3位 会社法施行で新会計基準(5月)
     この手の情報は、大和総研さんの「法律・制度レポート」が詳しいです。
      http://www.dir.co.jp/research/law-research/commercial/backnumber.html


 2位  ライブドア事件余波 –投資事業組合に注目(1月以降)
     投資事業組合に関する連結ルールが明確化。
     で、企業会計基準委員会は、投資事業組合に似たSPCなどペーパーカンパニーの
     連結範囲について議論を継続中。2006年度中には非連結となっているSPCについて
     情報開示を強化するルールを公表する見通しだとか。    
     で、07年中には、連結ルール自体の見直しに向けても一定の方向性を示すと。


 1位  「中央青山」の名前が消える(9月)
     全く馬鹿馬鹿しい意見ですが、そのうちほとぼりが冷めたら、
     「あらた」と「みすず」は合併して「あらたみすず監査法人」っていう、
     まるで女性会計士の個人事務所のような名前になるのではないでしょうか。

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  <番外>  決算不信再び  ―日興コーディアル、ミサワホーム九州などなど

                                                                                                                 (以上)
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(追加コメント)

そもそも、
日経金融新聞に、会計10大ニュース、というコーナーが組まれてしまったこと」自体が
重大ニュースにあたるのではないか
と思ったのは、私だけでしょうか?
もちろん、2009年問題とか内部統制に世間の関心が高まっていること自体、
いいことだとは思います。
しかし10件のうち、6件が不祥事絡みですからね・・・・・。

来年は10件もネタが挙がらず中止になってほしいものです。(もちろん、いい意味で、ですけど)


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