メリクリでございます。
主要経済誌の年末年始特大号が出回っております。
普段は職場に置いてあるものを読んでいる私ですが、
この時ばかりは清水の舞台から飛び降りる気持ちで全ての号を買って読んでおります。
その中で一番印象に残ったのが、週刊ダイヤモンド新春合併号P.114にあった
楠木健氏の「競争戦略」に関するインタビュー記事です。
この方の著書「ストーリーとしての競争戦略」はベストセラーでして
既にお読みになっている方も多いかと。
記事は是非原文にあたって頂きたいのですが、
自分の頭の整理のために、特に興味深かった点を抜粋してみました。
--------------------------------------------------------------------------------
・優れた戦略とは、経営者が一連の流れを持ったストーリーとして戦略を語り、
それを組織で共有し、社内を突き動かすエンジンとするもの。
・実際の経営は「野生の勘」で勝負の8割が決まる。
でも、どんな商売でも理屈で説明できる部分がある。
その2割を突き詰めれば野生の勘にも磨きがかかるのでは。
・日本のグローバルでの地位低下の8~9割方の原因は、
他国の会社が伸びたことによるもの。日本企業が絶対的に無力化したのではない。
・本来、「こうしよう」と方針を打ち出すのが経営者なのであるが、
「これからどうなるだろうか」ということばかりに目が行っている人が多い気がする。
典型的な物言いが「われわれも生き残りのために中国に出ざるを得ない」 。
誰も生き残ってくれなんて頼んでませんよ。
・誰のための商売なのか。
独立自尊の商売人として、誰をどのように喜ばせようとしているのか、
とつくづく聞きたい。それこそが商売の原点です。
それを「生き残りのために」なんて言った瞬間に、経営者として失格です。
・自分がおもしろくないと思っていたり、価値があるとは思っていないことをやって、
お客が喜ぶはずがないし、絶対に儲からない。
そんな事業に多くの人を巻き込んでいくのは、経営者による犯罪的な行為です。
(抜粋終了)
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(コメント)
・「誰も生き残ってくれなんて頼んでませんよ。」は実に良いツッコミで、笑えます。
そして「商売の原点を見失うな!」はまさにその通り。
・でも、どうでしょうか。
楠木氏は頼んでいないのでしょうけれど、
投資家・債権者・取引先といったステークホルダーは意識・無意識問わず“頼んでいる”かも知れません。
たとえば(まったく参考にはならないでしょうが)
私は職業柄、対象企業については財務分析などで問題点を把握することに加え、
「今後どーやって売上・利益を増やしていくの?」
「どーやって財務バランスを改善させていくの?」
「そのためにはどんな対策を打つのか?」という流れで、
その会社の財務のストーリーを確認・妥当性の検証することが多い。
そこには「商売の原点」の視点が欠落している一方、
「生き残って、頑張ってもらわないと困る」という思いがあるのは事実です。
私も大いに反省する必要があります。
・競争環境厳しいうえ、株主らの発言力が高まっている中、
企業側もそういうIR対応などに追われるが多いものだから、
戦略の発想の原点がブレてしまっているのかもしれませんね。
・ですから、経営者だけでなく、ステークホルダーも、
その企業の戦略が「生き残りのため」になっていないか今一度見直す必要があるのではないでしょうか。
・そして、これは実に安直な発想ですが、
投資先選別基準として、IR資料に「生き残り」「勝ち残り」「サバイバル」といった類の文言が
含まれていたら、その企業には投資しない、というのもアリかも知れませんね。
・・・・でも、その結果、投資先がゼロになっちゃたりして。
・最後に蛇足ですが、主要経済誌の中で週刊エコノミスト誌だけ「2011 世界経済大崩壊」と
悲観的・警告的なタイトルを付けています。
ですが同誌は、リーマンショック前にも他誌と比べて警告的な特集を数多く組んでいたと記憶しており、
非常に嫌な予感がします。
当たるのでしょうか?私の「野生の勘」は。
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主要経済誌の年末年始特大号が出回っております。
普段は職場に置いてあるものを読んでいる私ですが、
この時ばかりは清水の舞台から飛び降りる気持ちで全ての号を買って読んでおります。
その中で一番印象に残ったのが、週刊ダイヤモンド新春合併号P.114にあった
楠木健氏の「競争戦略」に関するインタビュー記事です。
週刊 ダイヤモンド 2011年 1/1号 [雑誌] | |
ダイヤモンド社 |
この方の著書「ストーリーとしての競争戦略」はベストセラーでして
既にお読みになっている方も多いかと。
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books) | |
楠木 建 | |
東洋経済新報社 |
記事は是非原文にあたって頂きたいのですが、
自分の頭の整理のために、特に興味深かった点を抜粋してみました。
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・優れた戦略とは、経営者が一連の流れを持ったストーリーとして戦略を語り、
それを組織で共有し、社内を突き動かすエンジンとするもの。
・実際の経営は「野生の勘」で勝負の8割が決まる。
でも、どんな商売でも理屈で説明できる部分がある。
その2割を突き詰めれば野生の勘にも磨きがかかるのでは。
・日本のグローバルでの地位低下の8~9割方の原因は、
他国の会社が伸びたことによるもの。日本企業が絶対的に無力化したのではない。
・本来、「こうしよう」と方針を打ち出すのが経営者なのであるが、
「これからどうなるだろうか」ということばかりに目が行っている人が多い気がする。
典型的な物言いが「われわれも生き残りのために中国に出ざるを得ない」 。
誰も生き残ってくれなんて頼んでませんよ。
・誰のための商売なのか。
独立自尊の商売人として、誰をどのように喜ばせようとしているのか、
とつくづく聞きたい。それこそが商売の原点です。
それを「生き残りのために」なんて言った瞬間に、経営者として失格です。
・自分がおもしろくないと思っていたり、価値があるとは思っていないことをやって、
お客が喜ぶはずがないし、絶対に儲からない。
そんな事業に多くの人を巻き込んでいくのは、経営者による犯罪的な行為です。
(抜粋終了)
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(コメント)
・「誰も生き残ってくれなんて頼んでませんよ。」は実に良いツッコミで、笑えます。
そして「商売の原点を見失うな!」はまさにその通り。
・でも、どうでしょうか。
楠木氏は頼んでいないのでしょうけれど、
投資家・債権者・取引先といったステークホルダーは意識・無意識問わず“頼んでいる”かも知れません。
たとえば(まったく参考にはならないでしょうが)
私は職業柄、対象企業については財務分析などで問題点を把握することに加え、
「今後どーやって売上・利益を増やしていくの?」
「どーやって財務バランスを改善させていくの?」
「そのためにはどんな対策を打つのか?」という流れで、
その会社の財務のストーリーを確認・妥当性の検証することが多い。
そこには「商売の原点」の視点が欠落している一方、
「生き残って、頑張ってもらわないと困る」という思いがあるのは事実です。
私も大いに反省する必要があります。
・競争環境厳しいうえ、株主らの発言力が高まっている中、
企業側もそういうIR対応などに追われるが多いものだから、
戦略の発想の原点がブレてしまっているのかもしれませんね。
・ですから、経営者だけでなく、ステークホルダーも、
その企業の戦略が「生き残りのため」になっていないか今一度見直す必要があるのではないでしょうか。
・そして、これは実に安直な発想ですが、
投資先選別基準として、IR資料に「生き残り」「勝ち残り」「サバイバル」といった類の文言が
含まれていたら、その企業には投資しない、というのもアリかも知れませんね。
・・・・でも、その結果、投資先がゼロになっちゃたりして。
・最後に蛇足ですが、主要経済誌の中で週刊エコノミスト誌だけ「2011 世界経済大崩壊」と
悲観的・警告的なタイトルを付けています。
ですが同誌は、リーマンショック前にも他誌と比べて警告的な特集を数多く組んでいたと記憶しており、
非常に嫌な予感がします。
当たるのでしょうか?私の「野生の勘」は。
エコノミスト 2011年 1/4号 [雑誌] | |
毎日新聞社 |
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