本日、外食のジョイフルが中間決算を発表しました。
H20年12月中間決算短信
http://www.joyfull.co.jp/ir/financial_l/img/h20tyukan.pdf
H15/12期の連結経常利益58億円をピークに外食不況を反映して
収支は低調に推移。原油高等で上期の既存店の客数は前期比▲5.4%減少。
上期の収支はトントンレベルまで落ち込んでしまいました。
7年前「異常に安いファミレス」として初めて取材した時に感じた輝きや勢いは、
残念ながら見る影もありません。
その時、ふと、この銘柄を発掘し、私を大分への取材旅行に連れて行ってくれた
K君のことを思い出しました。
「DANCINGさん、ほらねっ、ジョイフルって、ムチャクチャ安いでしょう?」
K君は私が株式アナリストになった時の前任者。
私よりも7~8歳若いのですがムチャクチャ優秀でして、当時は海外留学の準備
をしながら、約1年間小売業を私と一緒に担当してくれました。
いわば私にとっての株のチューター、お師匠であります。
もし彼が留学を考えていなかったら、私は全く別のキャリアを歩んでいた可能性が
ありましたし、こんなブログを運営することもなかったかも知れません。
そういう意味で、私の人生のターニングポイントとなった人物です。
K君はただ優秀なだけではなく、何事にも全力投球。
また周りをパッと明るくする特異なキャラを持ってまして、誰からも愛される存在。
時折日焼けサロンでこんがり焼いてくるなど、ナルシストの一面も。
コンビニ弁当や外食・居酒屋が好きな反面、机の中には多種多様な
ビタミン剤が置かれており、何だかんだ言って、健康に人一倍気を使ってました。
その証拠に、会社に自転車を置き、たいていのところは自転車で颯爽と移動。
今をときめく勝間和代さんの行動様式を先取りしていましたね。
影響されやすい私もK君にならってママチャリで都心を走り回ったものです。
「本当はプロのミュージシャンになりたかったんですよ」というK君ではありましたが、
株式アナリストとしての資質も申し分なく、とりわけコンビニ・外食については
ヘビーユーザーの立場から足と舌で稼いだ情報も活用してユニークな分析と
大胆な投資判断を実践。パフォーマンス向上に大いに寄与しました。
基本的に逆張り。ITバブル時のセブンイレブンの高株価に異議を唱えてましたし。
著名経営者とも数名、直接メールのやりとりができるほどの実力を備えていました。
まっ、私の持っていないものを全部持っている、
そんな眩しい存在といったところでしょうか。
とにかく、カッコ良かった。
「DANCINGさん、アナリストって仕事、面白いでしょう?」
「そうだね。こんなに面白いとはね・・・」
仕事を楽しくやるヤツなんぞはほとんど見たことがなかっただけに
「仕事って楽しくできるんだ~」と改めて思わせてくれた功績は計り知れない。
その後の私の「芸風」、さらには「キャラ」を大きく変えてくれました。
で、K君は首尾よく目指す難関ビジネススクールに合格。
無事修了して帰国後は、ファンドマネジャーとして活躍。
一方、私はアナリストとしてたようやくこれからというところで任を解かれ、
今の会社に移りました。
それから数年。
その知らせは、本日の夕方、突然でした。
「DANCINGさん、Kが亡くなったってご存知ですか?」
「えッ?」
半年ほど前から体調を崩して休職していたこともその時知りました。
原因は明らかではありませんが、
ファンド運用成績が原因でメンタル面が不調だったとの話も。
「冗談だろ?」という私に届いたお通夜の案内メール。
信じられないですけど・・・・・
全く信じられないんですが・・・・・・
このままでは記事が終われないので
お別れの言葉で締めます。
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K君、本当にお世話になりました。
いろいろあって大変だったようだね。
でもこれからは、ゆっくり休んでください。
天国でも自転車を乗り回すのかな。
だったら私が“そちら”に行った時に名所とか いろいろ教えて下さい。
それとも、もう一つの夢だった、プロのミュージシャンになってるのかなぁ。
だとしたら、昔カラオケで歌っていた
クイーン「ボヘミアンラプソディ」(普通歌うかよ!)、また聞かせて下さい。
何の取り柄のない私がここまで来れたのも
K君のおかげだと感謝しています。
それだけに、もう一度会って、お礼が言いたかったです。
私は私なりに、K君の良き「芸風」を一部でも継承・伝播していきたいと思います。
心よりご冥福をお祈りいたします。
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でも、いくらなんでも早すぎるし、哀しすぎる。
ホント、まだ信じられないんですよ・・・・・。
最後に、K君の名前の由来となったとされるマンガのキャラクター口調で
言わせて下さい。
「Kよ、俺は猛烈に悲しい!猛烈に悔しい!」
<以下、コメント欄にはK君へのメッセージなどをお願いします。>
しかし、そういう得がたい人材から天はその命を奪っていくのでしょうか。
運用の成績で悩まれていたとのコメント、本当に胸が痛みます。K君の実力と学歴と聡明さがあれば、引く手あまたであったでしょうに。なぜに、今勤務している会社だけに忠誠を誓わなければならなかったのか。浅田彰さんの逃走論ではありますが、逃げて逃げて逃げ切ってやればいいじゃないですか。
心より冥福を祈ります。
思い出しました。思い出しました。
温故さん主催の
「K君留学壮行カラオケ会」で歌ってたんですよね。
ボヘミアンラプソディ。
忘れ難い思い出を作って下さり、
有難うございました。
温故さんのおっしゃる通り
見てくれなんてどうでもいいから
「逃げて欲しかった。」
彼の勤務先にも言いたい。
資産運用会社の宝である、
稀有な有能な人材を
満足に活かすことができずに、
何が資産運用会社だ!!と。
(すいません感情的になってしまいました。
お見苦しい点があったことをお詫びします。)
多分僕は一生、あの八重洲のカラオケ屋と散会するときにカラオケ屋の外で立ち話をしたことを忘れないでしょう。
K君の会社に関しては他人様の会社ですので、なかなかストレートに申し上げることはできません。しかし、dancing-ufoさんの悔しいお気持ちは一緒であるということは申し上げてもよいのではないかと思っています。
こんにちは。ご無沙汰しております。
過日、メールをいただいた件、いかが相成りましょうか。
私はチューターさんのご冥福を祈りながらやった方が、あの方も喜ぶのではないかと思います。
きっと「俺も混ぜてくださいよ!」って来てくれますよ(涙)。
私も資産運用に携わる者として、切なく拝読させていただきました。
能力や努力だけではどうにもならない時があるのがマーケット、だけどそう簡単に割り切ってしまうのはプロとして自分自身納得できない。そんな苦悩を抱えているファンドマネージャーやアナリストは多いのではないでしょうか。特に、責任感が強い人ほど。そして、マーケットが混乱しているときほど。
そんな時、気を楽に持たせるような気遣いが周囲にあったなら・・・。本当に悔やまれます。
全力で市場を駆け抜けたK氏に敬意を表します。ゆっくりお休みください