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無邪気なIR資料  ~ソフトバンク3Q決算

2010-02-02 | 会計・株式・財務
お疲れ様です。

私の長年の研究対象であるソフトバンクがH22/3期3Q決算を発表しました。
詳細は「ケータイwatch」さんのページでまとめられておりますので
そちらをご覧ください。
    ↓ ↓ ↓
  「ソフトバンク、2009年度第3四半期決算は最高益を更新」


まぁ、決算は良かったようですね。
孫氏は、決算会見の冒頭、「今日の発表はうれしくて仕方がない」
と発言したくらいですから。


プレゼン資料の端々にその喜びが満ち溢れています。弾けています。
    ↓ ↓ ↓
  今回のプレゼン資料


私が特に注目したのはスライド29番(通算30ページ)から。
来期営業利益目標5,000億円が唐突にドーンと打ち上げられています。

そして今回のハイライト。

スライド32番にご注目下さい。
「(営業利益5,000億円になると)全上場会社で6位の営業利益となるんですよ!!」
これを獲らぬ狸の皮算用といわずして何という。

どうやって5,000億円にするのか具体的な道筋を見せていないのに、
来年は5,000億円です!とだけ言われてもねぇ・・・・。

幸せな会社です。
特に根拠がありませんが、今がピークかも知れない。


財務面ではキャッシュフローが大幅にプラスになってますが、
流動化もバンバンやってますし、年に1回しか開示されないオペレーティングリースも
活用している可能性もあり、とにかく目立つところはうまく見せている、
という印象があります。


どういことかと申しますと、たとえばオペレーティングリースの未経過リース料は
H21/3期有価証券報告書p.99で630億円と前期比+470億円増加しております。
新リース会計の影響で注記対象が広がった可能性もありますが、気になる項目です。
四半期決算での開示がないので次の本決算のお楽しみということに。


要するに、耳ざわりのいい話には気を付けてください、ということです。
それではまた。

なかのひと

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