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医薬品クライシス

2010-02-02 | 会計・株式・財務
お疲れ様です。

最近ナナメ読みした本について雑感を少々。

医薬品クライシス―78兆円市場の激震 (新潮新書)
佐藤 健太郎
新潮社

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まず、医薬品業界の当面の見通しについては先日ご紹介したみずほコーポレート銀行さんの産業レポートが大変参考になると思いますので併せてご確認下さい。
  みずほ産業調査~医薬品


さて、この本についてですが、紹介文ではこんなことが書かれております。
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全世界で七十八兆円、国内七兆円の医薬品業界が揺れている。
巨額の投資とトップレベルの頭脳による熾烈な開発競争をもってしても、
生まれなくなった新薬。ブロックバスターと呼ばれる巨大商品が、
次々と特許切れを迎える「二〇一〇年問題」----。

その一方で現実味をおびつつあるのが、頭のよくなる薬や不老長寿薬といった
「夢の薬」だ。
一粒の薬に秘められた、最先端のサイエンスとビジネスが織りなす壮大なドラマ!
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以下は、読書備忘メモのつもりで書きます。


通読して一番興味深かったのが、
「結局のところ、創薬技術は飛躍的に進歩したのに、何故新薬が生まれなかったのか」
ということの説明でした。


それはp.153以降にありまして、「複合的な要因」からなるということ。

具体的には、
①作用機序のはっきりした「わかりやすい」疾患(高血圧など)にはすでに完成度の高い
 薬がいくつも出ている。
②残ったのはアルツハイマーなど難病ばかりとなってしまったが、
 ここで動物試験の難しさが障害となってくると。
 すなわち、創薬の過程では適当な「疾患モデル動物」が必要となる。
 しかし、アルツハイマー病のモデル動物とはいったい何だろうか?
 こうしたモデル動物の不備が2010年問題の原因として挙げた薬理専門家が多かった
 とのことです。


となると大手医薬品メーカーの進む道は・・・・・。
そこから先は実物でご確認下さい。

みなさんに置かれても将来大なり小なりお世話になることになる医薬品。
その裏側を知って損はない本だと思います。



さてさて、冒頭のイースター島の写真ですが、
先程ご紹介した「紹介文」にあった「不老不死の薬」と関係があるようです。
本書p.202で、イースター島で発見された化合物ラパマイシンを、人間でいうと60歳のマウスにわずかに
与えると、9~14%ほども寿命が延びたそうでして、
大きな可能性を秘めているんだそうです。

でも、これ以上長寿化が進んじゃっていいのでしょうか。

それではまた。

なかのひと

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
読み始めたところです (snowbees)
2010-02-22 18:02:54

>通読して一番興味深かったのが、
「結局のところ、創薬技術は飛躍的に進歩したのに、何故新薬が生まれなかったのか」
ということの説明でした。

それはp.153以降にありまして、「複合的な要因」からなるということ。

+クイックガイドとして、参考にします。

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