いつもご覧くださり誠にありがとうございます。
先週末の話です。
つかこうへい氏の訃報に接し、映画「蒲田行進曲」をまた観たくなって
TSUTAYAを訪れた私を待ち受けたのは、「旧作DVD100円貸出キャンペーン」。
気が付いた時には、10枚以上のDVDを借りていました。
その中で最も印象に残ったのはこの1作。
TSUTAYAの薦めるままに借りた、1年前の異色のコメディ邦画です。
三木聡 監督・脚本「インスタント沼」
一言でいえば、私のブログより馬鹿馬鹿しいです。
ストーリーの妙というよりは、会話の妙、凝りにこった小道具などで
畳み掛けるように笑わせてくれます。
「あらすじ」「予告編」も馬鹿馬鹿しい。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■あらすじ■
非科学的なことは一切信じない、雑誌編集者の沈丁花ハナメ(麻生久美子)は担当する
雑誌が廃刊になって会社を辞することになり、母親の翠(松坂慶子)がカッパを探して
池に落ち昏睡状態になるなど、泥沼の渦中にあった。
同じ池から発見された母が投函した古い一通の手紙から自分の出生の秘密を知って
しまったハナメは、行方知れずだという実の父かもしれない男・沈丁花ノブロウ
(風間杜夫)の居場所を探し、訪ねてゆくことにする。
ノブロウは怪しげな骨董店「電球商会」を営んでおり、店にタムロするパンク青年
・ガス(加瀬亮)からは「電球」と呼ばれていた。
ノブロウのいい加減で身勝手な性格に呆れ果てたハナメだったが、彼らと触れ合って
いくうちに骨董に興味を持ちはじめ、自ら骨董屋を開業する。
なかなか商売がうまく行かずテンションの上がらないハナメに電球は
「物事に行き詰まったら水道の蛇口をひねれ」という教えを伝授する。
-―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
予告編
で、一番印象に残ったのが「物事に行き詰まったら水道の蛇口をひねれ」 。
ネタバレになってしまいますが、今回のテーマの核心部分ですので敢えて書きます。
要するに、こういうことです。
①洗面台に栓をして水を入れる。
→近くの自動販売機に猛ダッシュしてドリンクを買う
→水があふれる前までに戻って蛇口を閉められるか。
②バスタブに栓をして水を入れる。
→近くの定食屋に行って昼食を食べる
→水があふれる前までに戻って蛇口を閉められるか。
文字にしてしまうと何てことないですが、これが結構スリリングかつ笑えるシーンになっておりまして、
観ている私も一気にテンションが上がってしまいます。
一種の締切効果。
要するに、「目標と期限を決めて、それを時間内にやり遂げる。」
これがテンションを上げ、何気ない日常を輝かせる秘訣なのでしょうね。
スカッと笑える秀作です。
(それにしても、「蒲田行進曲」の主役の2人が、たまたま借りた本作で元夫婦役であったという
偶然にはマジで驚きました。)
と・・・・・ここまで書いていて、最近本屋で見かけたあるIFRS本を思い出しました。
IFRSに対する私の思いは、これまで申し上げているようにネガティブ
(こんな金融資本主義の権化のような会計基準と付き合ってられるか!)なもので
はあります。
・・・とはいえ実務的にはそろそろIFRS導入の準備を始めないといけない。
で書店に行きますと、おびただしい量の「IFRS導入対策本」が並んでいます。
会計系コンサルの腕の見せ所ですからね。
でもテンションが上がらないまま分厚い解説書を見ても、
気分は盛り上がりません。少なくとも私は。
ところが、この本では目次からお分かりのように・・・・・・
第2章 調査・計画段階① 0か月目 プロジェクトチームの立ち上け
第3章 調査・計画段階② 1か月目 各差異分析の立案と実施
第4章 調査・計画段階③ 4か月目 方針とスケジュールの作成
第5章 計画実行段階① 7か月目 会計方針の決定と文書化
第6章 計画実行段階② 10か月目 新業務の定義、システムの改修、規程の改訂
第7章 計画実行段階③ 7~30か月目 トライアル実施と開始貸借対照表の作成
何時までに何をやっていないといけないのかが明確に書かれています。
そう、嫌々ながらもIFRS導入を検討しなくてはいけない
テンションの上がらない経理・財務をはじめとする関係者の皆様に対して、
「水道の蛇口をひねってくれる」構成になっているんです。
この点は類書にないユニークなところかと思います。
また著者の野口さんはIFRS解説ブログを主宰しておりまして、
これまでも個別論点についても読者からの質問に丁寧に答えております。
(私はとても真似ができません、といいましょうか、質問が来ません。)
著書に関する具体的な質問も直接できるでしょうからブログの存在はありがたいですね。
IFRS of the day 会計士が読み解く国際会計基準
エッ? それでもIFRS導入作業に行き詰ったらどうするのかって?
まぁ、企業レベルであればやはりコンサルを活用せざるを得ないでしょうが、
個人レベルであれば、
「インスタント沼」でも観て、そして本物の水道の蛇口をひねって、
しょうもない日常を洗い流してみてはいかがでしょうか。
またいきます。
先週末の話です。
つかこうへい氏の訃報に接し、映画「蒲田行進曲」をまた観たくなって
TSUTAYAを訪れた私を待ち受けたのは、「旧作DVD100円貸出キャンペーン」。
気が付いた時には、10枚以上のDVDを借りていました。
その中で最も印象に残ったのはこの1作。
TSUTAYAの薦めるままに借りた、1年前の異色のコメディ邦画です。
三木聡 監督・脚本「インスタント沼」
インスタント沼 | |
ポニーキャニオン |
一言でいえば、私のブログより馬鹿馬鹿しいです。
ストーリーの妙というよりは、会話の妙、凝りにこった小道具などで
畳み掛けるように笑わせてくれます。
「あらすじ」「予告編」も馬鹿馬鹿しい。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■あらすじ■
非科学的なことは一切信じない、雑誌編集者の沈丁花ハナメ(麻生久美子)は担当する
雑誌が廃刊になって会社を辞することになり、母親の翠(松坂慶子)がカッパを探して
池に落ち昏睡状態になるなど、泥沼の渦中にあった。
同じ池から発見された母が投函した古い一通の手紙から自分の出生の秘密を知って
しまったハナメは、行方知れずだという実の父かもしれない男・沈丁花ノブロウ
(風間杜夫)の居場所を探し、訪ねてゆくことにする。
ノブロウは怪しげな骨董店「電球商会」を営んでおり、店にタムロするパンク青年
・ガス(加瀬亮)からは「電球」と呼ばれていた。
ノブロウのいい加減で身勝手な性格に呆れ果てたハナメだったが、彼らと触れ合って
いくうちに骨董に興味を持ちはじめ、自ら骨董屋を開業する。
なかなか商売がうまく行かずテンションの上がらないハナメに電球は
「物事に行き詰まったら水道の蛇口をひねれ」という教えを伝授する。
-―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
予告編
で、一番印象に残ったのが「物事に行き詰まったら水道の蛇口をひねれ」 。
ネタバレになってしまいますが、今回のテーマの核心部分ですので敢えて書きます。
要するに、こういうことです。
①洗面台に栓をして水を入れる。
→近くの自動販売機に猛ダッシュしてドリンクを買う
→水があふれる前までに戻って蛇口を閉められるか。
②バスタブに栓をして水を入れる。
→近くの定食屋に行って昼食を食べる
→水があふれる前までに戻って蛇口を閉められるか。
文字にしてしまうと何てことないですが、これが結構スリリングかつ笑えるシーンになっておりまして、
観ている私も一気にテンションが上がってしまいます。
一種の締切効果。
要するに、「目標と期限を決めて、それを時間内にやり遂げる。」
これがテンションを上げ、何気ない日常を輝かせる秘訣なのでしょうね。
スカッと笑える秀作です。
(それにしても、「蒲田行進曲」の主役の2人が、たまたま借りた本作で元夫婦役であったという
偶然にはマジで驚きました。)
と・・・・・ここまで書いていて、最近本屋で見かけたあるIFRS本を思い出しました。
現場で使える IFRS導入の実務 | |
野口 由美子,石井 昭紀 | |
日本実業出版社 |
IFRSに対する私の思いは、これまで申し上げているようにネガティブ
(こんな金融資本主義の権化のような会計基準と付き合ってられるか!)なもので
はあります。
・・・とはいえ実務的にはそろそろIFRS導入の準備を始めないといけない。
で書店に行きますと、おびただしい量の「IFRS導入対策本」が並んでいます。
会計系コンサルの腕の見せ所ですからね。
でもテンションが上がらないまま分厚い解説書を見ても、
気分は盛り上がりません。少なくとも私は。
ところが、この本では目次からお分かりのように・・・・・・
第2章 調査・計画段階① 0か月目 プロジェクトチームの立ち上け
第3章 調査・計画段階② 1か月目 各差異分析の立案と実施
第4章 調査・計画段階③ 4か月目 方針とスケジュールの作成
第5章 計画実行段階① 7か月目 会計方針の決定と文書化
第6章 計画実行段階② 10か月目 新業務の定義、システムの改修、規程の改訂
第7章 計画実行段階③ 7~30か月目 トライアル実施と開始貸借対照表の作成
何時までに何をやっていないといけないのかが明確に書かれています。
そう、嫌々ながらもIFRS導入を検討しなくてはいけない
テンションの上がらない経理・財務をはじめとする関係者の皆様に対して、
「水道の蛇口をひねってくれる」構成になっているんです。
この点は類書にないユニークなところかと思います。
また著者の野口さんはIFRS解説ブログを主宰しておりまして、
これまでも個別論点についても読者からの質問に丁寧に答えております。
(私はとても真似ができません、といいましょうか、質問が来ません。)
著書に関する具体的な質問も直接できるでしょうからブログの存在はありがたいですね。
IFRS of the day 会計士が読み解く国際会計基準
エッ? それでもIFRS導入作業に行き詰ったらどうするのかって?
まぁ、企業レベルであればやはりコンサルを活用せざるを得ないでしょうが、
個人レベルであれば、
「インスタント沼」でも観て、そして本物の水道の蛇口をひねって、
しょうもない日常を洗い流してみてはいかがでしょうか。
またいきます。