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会計士のための「財政赤字」研修に思う

2011-02-23 | 会計・株式・財務
ムーディーズが日本国債の格付け見通しを現行の「安定的」から「引き下げ方向(ネガティブ)」に変更したと発表した22日、会計士協会東京会のHPを見ていた私はこんな研修会があることを見つけた。

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研修会名:千代田会主催CPE研修会 研修会詳細情報

■テーマ
財政赤字と国債について

国家会計の体系や一般会計と特別会計の仕組み等を踏まえ、我が国の財政赤字について真剣に考えます。
橋 洋一 先生 (嘉悦大学教授、元内閣参事官)

【主な著書】
「財投改革の経済学」(東洋経済新報社)、「さらば財務省!」「日本は財政危機ではない」「恐慌は日本の大チャンス」(以上、講談社)、「日本経済のウソ」(筑摩書房)

2011年4月7日(木) 18:15~20:00 市ヶ谷「公認会計士会館 ホール1」
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あの財政問題の専門家・高橋氏が会計士の先生方に直々にレクチャーして下さるのだ。
(最新作↓)
バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる
高橋 洋一
光文社


ただ・・・・・・「財政赤字について真剣に考えます」。この表現はいただけない。今まではいい加減に考えていたのかい?とツッコミたくなる。



それはそれとして、私は会計士の先生方に対して、2つの理由からこの財政研修会に参加すべきだと思っている。
(因みに、私は速攻で申し込んだ。とりあえず。)


理由の1つは、言うまでもなく日本の「財政問題」の深刻さを知るということ。昨今の政治のふがいなさとも相まって、財政破綻が急速に現実味を帯びてきた感がする。ちょうど20日はあの池田信夫氏のブログも「財政破綻とハイパーインフレ」を取り上げていたっけ。多くの識者が警告を発しており、会計士協会もこうした動きを察知して、クライアントとの会話ネタ、あるいは会計士先生方のご自身の資産運用の参考にてもらおうと企画したのかも知れない(もっとも、高橋氏はどういう主張をされるかはわからないが・・・・)。


では、仮に財政破綻が迫るとして、我々はどうすればいいか。

私見であるが、まずは日本の財政破綻を一度「イメージ」してしまうってことは大事ではないかと思う
われわれを覆う閉塞感や不安をいくばくか軽減してくれるかも知れないからだ。

作家・橘玲氏のブログにシミュレーション 20XX年ニッポン「財政破綻」という記事がある。将来をイメージするうえで示唆に富んでいると思う。既に読まれた方も多いだろうし、その内容に異議を唱える方もいることだろう。しかし、私はその当否を問うのではない。少しでもイメージを持つことが大事ではないかと思っているのだ。


というのも、オランダの哲学者スピノザは『エチカ』のなかでこう言ってなかっただろうか。
「苦悩という情動は、それについて明晰判明に表象したとたん、苦悩であることをやめる」 (『エチカ』第5部「知性の能力あるいは人間の自由について」定理三)
(↑出所:夜と霧 新版)
  
ヴィクトール・E・フランクル
みすず書房



要するに、我々を覆う閉塞感・不安の元となっている財政破綻というものを「明晰判明に表象してしまおう」ってワケだ。
こうした悲惨なシナリオをイメージするだけでも、今後の処し方が違ってくるのではないだろうか。そして、万が一そうなってしまった場合に慌てないように今のうちからできること(資産運用等)を準備していけばいいのではないか。橘氏も財政破綻に備える「3つのリスク回避術」を提案しており、考えるヒントを与えてくれている。もちろん最後は自己責任で判断すべきことであるが…。





さて、出席すべきとする2つめの理由であるが、・・・・・・・・・・開催日時と開催場所から、何か気づかないだろうか。





そう、「帰りにお花見ができる」ってことである。


研修は午後8時に終了。市ヶ谷の会計士協会から徒歩15分ほどで千鳥ヶ淵に行ける。
ピークシーズンで大混雑が予想されるが夜間ライトアップは10時までやっており、十分に満喫できるはずだ。





いかがであろうか、夜桜見物。



財政破綻前の美しい思い出として・・・・・・。





なかのひと

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