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日本絶望未来レポート

2011-02-18 | 会計・株式・財務
最近こんな本が書店に並んでいる。
不動産絶望未来 ―これからの住宅購入は「時間地価」で探せ!
山下 努
東洋経済新報社


タイトルはユニークで思わず手に取ってしまいそうな本だ。中身はよく見ていないが、これからの住宅購入の指南本なのだろうか。しかし、この本を出すのはちょっと早すぎたのかも知れない。著者は日本の国土で今後起こるであろう、かくも過酷な未来まで織り込んでいただろうか?


きっかけは、現代ビジネス「経済の死角」 2011年2月15日 土地&住宅 不動産は最大のリスク、暴落を覚悟せよ

ここで紹介されていたレポート「国土の長期展望に向けた検討の方向性について」を見た私は大きな衝撃を受けたのだ。

このレポートは昨年末、国交相の諮問機関である国土審議会政策部会に提出されたものであるが出生率・死亡率・人口移動率などの膨大なデータと莫大な税金を投入して作成されており、人口減少がこのまま進んだ場合、2050年に日本の国土がどのように変貌していくかを克明に示している。

要するに、これまで薄々感じていた「いまそこにある危機」がよりリアルな形で眼前に示されているのだ。日本の人口そのものがバブルであったことを思い知らせてくれる(資料の)4枚目から、目を覆うばかりの残酷な未来がこれでもかと攻めてくる。下手なお化け屋敷よりも肝が冷える思いだ。ぜひ一読することをお薦めする。


しかし悲観ばかりしても仕方ない。悩んでなんとかなるなら悩めばいいが、どうにもならなければ腹をくくるしかない。レポートの予測通りに事態が進んでしまった場合に、自分はその状況下でどう立ち回っていたいのか、イメージを膨らませて、今からできることを準備しておくことが肝要かもしれない。特に、これから不動産を購入する方におかれてはエリア選択の参考にすべきだろう。



最後に、人口に関するクイズを出して本稿を終えよう。

2008年の出生率・死亡率が続いた場合、西暦3000年の日本の人口は何人となるでしょうか?






答え。

国立社会保障・人口問題研究所の試算によれば、0千人
試算の単位が千人単位となっており、厳密にゼロとは言えないが、2004年のデータに基づく試算では29人だったので限りなくゼロということだろう。
出所:全国人口の再生産に関する主要指標:2008年(PDF)の9枚目
人口ゼロでは絶望すらできなくなる3000年の日本。
最も外れて欲しい試算の1つだ。

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