いやぁーっ、長らく失礼しました。
本業が多忙を極め、それにネタ枯れも加わって
更新がすっかり滞ってしまいました。
すいませんでした。
そして・・・・・・9日、日経平均は昨年10月27日に付けた
バブル後の最安値を下回り、
1982年10月6日以来、26年5カ月ぶりの安値水準へ。
私が社会人になる前の水準に・・・・
四半世紀をかけた「行って来い」。
さらに
WBCでは韓国に返り討ちに遭いました。
球界も政界もイチローに元気がありません。
世の中は相も変わらず悲観モード。
・・・・・・でもそろそろ飽きてきました。
そう思っていた矢先、
面白い論考を見つけました。
あえて明るい話題を提供しよう!とする編集方針にも適っておりますので
簡単にご紹介。
現物は書店等でご確認ください。
-------------------------------------------------------
週刊ダイヤモンド 09年3月14日号 p.124 特別寄稿
「人員削減は愚策。景気の谷は深くない」
エリヤフ・M・ゴールドラット
【結論】
「大不況到来」とメディアは連日報じているが、本当にそうなのだろうか。
私は今回の景気の谷は深くないと見る。
パニックになって人員や生産能力を削減するのは愚策で、
景気回復期に飛躍する機会を逸してしまう。
【要約】 ~家電メーカーのサプライヤーを題材に~
・今、多くの企業が答えを求めている問いは
「今後いったい何を頼りに、どのような予測を基準に企業運営したらよいか?」
これほど大きな不確実性の下で企業運営を行うことは極めて難しい。
↓
・不確実性を低減させるためには、さらに多くの関連データが必要。
ではより精度の高い予測を行うために用いることのできるデータは無いか?
↓
・サプライチェーンに注目!
将来の予測を立てるに当たっては、小売企業によるエンドユーザーへの販売、
すなわち売上高がどのようにあるのかを分析すべき!
↓
・実は、一般商品の小売の状況はさほど深刻ではない。
不幸なことに、我々は、自動車と不動産という(クレジットに頼るのが当たり
前の)非常にユニークな市場と同じ基準で、
クレジットに頼らない一般的商品の状況を推測してしまっているのだ。
小売市場の需要は安定している。
↓
・では、なぜ実際にサプライヤーの売上高は急激に落ち込んでいるのか?
小売企業も新聞などメディアに注目している(影響を受けている)ためだ。
不況がやってくるというメディアからの警告に、小売企業はほとんど本能的に
在庫削減という予防策を急いで講じてしまった。
↓
・在庫を削減するために、多くの小売企業はサプライヤーへの発注を減らし
在庫の入荷を抑える一方、販売を刺激するために昨年12月に大幅な値下げを
実施。
↓
・小売企業の在庫削減へ動いたため、OEMメーカーの受注量は大幅減。
OEMメーカーも在庫削減。在庫を削減するには、売上高が減少した分以上に
サプライヤーからの購入を抑える必要がある。
・・・・・・こうして雪だるま式に影響が増幅。
↓
・ではいつになったら、サプライチェーン内の発注量は、
市場の真の需要レベルに合わせて再調整されるのか?
↓
・余剰在庫が掃き出されれば、再調整されるはず。
4月頃には受注落ち込みの危機から脱出できるだろうと。
では次の問題。どの程度のレベルで受注量が安定するのか?
↓
・一般的な商品、製品のほとんどはGDP成長率をもって市場重要を測って
構わないだろう。先進国ではGDPもマイナスとなろうが
マイナス数パーセント程度で、非常に控え目な影響にとどまろう。
↓
・だとすると・・・・・売上高は昨年とだいたい同じレベルに落ち着くと予測。
↓
・その予測に基づけば、会社が取るべき行動は2つ。
①生産能力を縮小しないこと、
②今回最も大きな打撃を被った原材料サプライヤーへのサポート強化。
↓
パニックに陥らずに冷静に行動できる企業にとっては市場シェア拡大の絶好の好機。
--------------------------------------------------------------
ゴールドラット氏と言えば、これらの書籍で有名ですよね。
ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何かエリヤフ ゴールドラットダイヤモンド社 |
ザ・ゴール 2 ― 思考プロセスエリヤフ ゴールドラットダイヤモンド社 |
この論考を読んで、以前ご紹介した、
丹羽宇一郎伊藤忠商事会長のメッセージを思い出しました。
「恐怖が経済を悪くする。明るく考え、元気を出せ」
(週刊東洋経済新春合併号P.44)
『今は、経営者が10人いると、9人は「09年は大変なことになる」という。
僕一人だけが「そうはならないですよ」と言っています。
なぜなら、90%が支持する意見が当たった試しがないから。
理論的にデータを見ると、確かに09年の経済はもっと下がります。
でも人間はそれほど合理的でないし、理論通りには動きません。
世界の人口は増え続けている。ぜいたく品は売れないかも知れないが、
人間は衣食住に必要なモノは買う。在庫を持っているといっても
5~6か月分に過ぎず、生産調整をすれば1年で景気は戻る。
何年も奈落の底に落ちることはない。』
両者に共通していることは、「逆張り思考」と「在庫調整効果」。
これからの数か月で結果が判明します。要注目ですね。
それでは。
※スポンサーリンク、「もしご興味のあるものがございましたら」クリック下さいね。
私が敬愛するアナリストと久々に話をしたら、彼は全財産を不動産と株につぎ込んだとのこと。昨年の春には「全部、株式は現金化したほうがいい」と言っていた人物なので、びっくり!。
でも、確かに異常なほどの価格引き下げでマンション在庫はピークアウトしそうですし、今の株価はPKOであるにしても値頃感は高いし、自動車も生産を戻すということであれば。。。。
もしかすると、もしかすると、なのであります。
ちなみにそのアナリストさんは五月底打ち反転が予想だそうです。