◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

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新会社法政省令案が会計実務に与える衝撃

2005-12-07 | 会計・株式・財務
トーマツのe会計情報のニュースでコンパクトにまとめていたので
ご紹介します。

このうち、
「分配可能額の計算における調整項目は子会社と関連会社の
持分損益合計がマイナスの場合に限って、その額を分配可能額から控除する」、
との規定は会社側の会計実務や株主還元を期待する投資家などに
混乱を与えるかも知れませんね。

この規定がどういう会社にどんな影響が出るのかといいますと、
非常にラフに言いますと、連結株主資本が単独株主資本の額を下回る会社で、
その下回った額だけ分配可能額が減らされる=配当金支払や自社株買いの財源が
カットされる、ということになります。

ただ、多くの会社では連結自己資本>単独自己資本、というケースが多いので
さほど大きな影響は無いとは思います。

(なお、昨日の記事は一部誤解もありボツとさせて頂きました。あしからず。)
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http://www.e-tohmatsu.com/ek/news/2005/news051202_2.shtml
◆法務省が会社法に関する法務省令案を公表◆

平成17年11月29日、法務省は会社法に関する9本の法務省令案を公表した。
これまでの実務慣行を抜本的に見直すこととなる重要事項が
数多く規定されており、十分留意する必要がある。
(コメント期限は平成17年12月28日)

①会社法施行規則
②株主総会に関する法務省令
③株式会社の業務の適正を確保する体制に関する法務省令
④株式会社の監査に関する法務省令
⑤株式会社の計算に関する法務省令
⑥株式会社の特別清算に関する法務省令
⑦持分会社に関する法務省令
⑧組織再編行為に関する法務省令
⑨電子公告に関する法務省令

【重要事項の例】
■ 子会社及び親会社を形式的な持株基準でなく
  実質支配力基準で定義(①第3条)
■ 営業報告書に替わる事業報告に記載すべき事項
  ・社外役員に係る一定の事項(①第78条)
  ・会計監査人に係る一定の事項(①第79条)
  ・株式会社の支配に関する基本方針(①第80条)
■ 業務の適正を確保するための体制等に関する事項
  ・取締役の責務(③第3条)
  ・取締役会設置会社における体制(③第5条)
  ・事業報告における開示(③第7条)
  ・監査役等による業務の適正を確保するための体制
   に係る監査(③第8条)
■ 注記表を計算書類として位置づけ注記内容を詳細に規定
  (⑤第32条・第67条等)
■ 会計方針の変更等による修正後の過年度情報を提供可
  (⑤87条)
■ 分配可能額の計算における調整項目(⑤第112条)
   ・ のれん及び繰延資産の合計額が資本金及び準備金の額を
    超過する部分について2分 の1相当額を控除項目として追加
  ・ 有報提出大会社等の場合には、
    子会社及び関連会社に係る投資に対して持分法を適用した場合
    における投資損失合計から投資利益合計を減じて得た額を
    控除項目として追加

■ 一定の修正後の過年度情報は監査対象(④第15条)
■ 監査役の監査報告に「会計監査人の職務の遂行が適正に
 実施されることを確保するための体制に関する事項」を追加(④第16条)
                            以 上
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