たまには違う企業を見るのもいいかなーと思いまして、
ちょうど今日発表されたソフトバンクの四半期決算を取り上げてみました。
結構、面白い発見、ありましたよ。
決算短信はこちら
http://www.softbank.co.jp/irlibrary/results/pdf/softbank_results_2006q3_001.pdf
全く予備知識がないのでまず日経記事をご紹介。
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ソフトバンクの4-12月期、連結営業黒字279億円
ソフトバンクが10日発表した2005年4-12月期連結業績は、
営業損益が279億円の黒字(前年同期は143億円の赤字)。
子会社ヤフーの好調に加え、ブロードバンド事業が黒字転換。
日本テレコムの固定通信事業も収益が改善。
4-12月期の売上高は前年同期比44%増の8102億円。
ブロードバンド事業の売上高は、課金利用者などの増加により33%増えた。
ADSL回線は12月末で500万回線を突破。
コスト削減の寄与もあり同事業は83億円の営業黒字に転じた。
ヤフーは広告の売り上げが順調に推移し営業利益は51%増となった。
固定電話事業は日本テレコムの「おとくライン」の収益が改善。
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(コメント)
①連結決算短信計29ページと頑張って開示していますね。
普通必要最小限の情報しか開示しない企業が多い中で、
内容はともかく開示姿勢は評価できそうです。
②連結営業利益を前年同期と比較すると、+422億円の改善。
セグメント別に内訳を見ると
ブロードバンド・インフラで +218億円(ソフトバンクBBなど)
固定通信事業で +161億円(日本テレコムなど)
インターネット・カルチャー +64億円(ヤフーなど)
しかし、会計方針も結構変更してますねー。
日本テレコムで減価償却耐用年数の変更 +107億円!
ソフトバンクBBでの減価償却方法の変更 +6億円
回線工事費用の固定資産計上による費用先送り+24億円
これだけで+137億円嵩上げしてますのでご留意を。
③話題の投資事業組合への出資金、12月末で458億円(3月末ではなんと1,010億円)。
しかし皮肉なことですが、証取法及び金融商品会計では、こうした勘定を
投資有価証券に一本化するっているていう改正をしていたんですね。
これじゃぁ、さらにブラックボックス化するわけです。
④「追加情報」のページをご注目下さい。
(当時のプレスリリースも併せてご覧下さい)
http://release.nikkei.co.jp/print.cfm?relID=117373
ソフトバンクグループは事業の中核であるブロードバンド事業に
経営資源を集中すべく、12月8日にBBモデムレンタルを
シティバンク、エヌ・エイ在日支店(以下シティバンク)がアレンジする中で設立された
有限会社ジェミニBB(本社:東京都港区、取締役:阿部幸宣、以下ジェミニBB)へ
450億円で売却し215億円の差益が発生。
この差益を前受収益に計上し、経済的耐用年数に応じて償却していくとのこと。
ちょっと待ってください。
その有限会社ジェミニBBってのは連結対象外の会社
のようですけれど、「あくまで直感ですが、」その会社ってソフトバンクが実質支配
しているんじゃないでしょうか?
だとすると、連結対象外会社との資産と利益のキャッチボールの可能性って、
あるのではないか?。(もちろん、ジェミニBBのバックファイナンスはシティバンクが
付けているでしょうけどねぇ。)
と、思っっておりましたら、この会社は特別目的会社ということでした。
真性譲渡等の要件を満たしていたら問題ないんでしょう。
ですから、そう思ったわたしは軽率でした。(申し訳ありません)
それでも、よく分からない点があります。
①SPC化によりほぼ簿価に近い売却益が出るくらい儲かる事業なら
自分で継続すればいい。
②売却益を出すなら特別利益で出せばいい、
③それを平準化して本業利益に上乗せ?するとしたら
ちょっとおかしいんじゃないか?
④もっといえば、SPC化で本業利益が増えるかのような印象を与えている
この追加情報は投資家をミスリードしているんじゃないか?
そこで、不透明じゃないか?と思った次第です。
ただ、何分勉強不足なところがあるので、もう少し調査したいと思います。