「コンテンツビジネス」「テクノロジー」「ペイメント領域」までを、総合的にカバーする企業グループ「フォーサイド」がようやく決算を発表しましたので、簡単にコメント。
ご存知ない方が多いでしょうから(私も今日はじめて見た)はじめに少し補足しておきますと、この会社の連結売上高はたったの756百万円です。もう一度言います。756百万円です。億円ではありません。2015年12月期において、営業損失209百万円及び営業活動によるキャッシュ・フローのマイナス308百万円の状況にあり、4期連続で営業利益及び営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなったため、JASDAQ市場における上場廃止基準との関係で、上場廃止に係る猶予期間に入る見込みだそうです。上場廃止に係る疑義解消のためには平成28年12月期の営業利益もしくは営業キャッシュ・フローのプラスを確保する必要があります。
したがいまして、どうやって営業利益を確保していくのか、その蓋然性はどうかをチェックすることが肝要かと思われます。
まずは、「決算説明会資料」をざっとご覧頂きましょうか。
そもそも「この規模、この業績で決算説明会をするんかい!」という会社ではあるんですが、説明会資料はかなり気合を入れて作りこんでおり、パッと見の印象では、何か期待を持たせる内容になっております。短信発表が遅れたのはこの資料作成に注力しすぎたからでしょうか。
ところが、「決算短信」から核心部分であるセグメント別業績予測を丹念に読んでみますと・・・・・笑えて泣ける。
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<短信6枚目~> 次期の見通し
2016年12月期 セグメント業績予測(営業利益)
コンテンツ 101 百万円
フィールドビジネス 60 百万円
通信メディア 10 百万円
不動産事業 58 百万円
その他の事業 111 百万円 (投資銀行業務、貸金業務が含まれている)
調整 ▲203 百万円
合計 139 百万円
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そもそも、利益の稼ぎ頭が「その他」というのが凄い!「なりふり構わず感」が伝わってきます。
同じページの<フィールドサービス事業>の説明は泣ける。
平成27年12月期においては、取引先より技術者派遣の引き合いがあったにも関わらず、人材の確保ができなかったことによる機会損失が発生いたしました。
次のページの<不動産事業>を見ますと、
新規に事業を開始する不動産事業においては、平成28年12月期の業績予想を営業収益186,876千円、営業利益を58,210千円としております。投資用不動産の取得及び販売を主として展開する他、利回りの良い賃貸用不動産を数件取得し、賃貸料収入による堅実なキャッシュ・フローを創出いたします。
とまぁ、実に具体的な計画があるので、投資はもう完了していて少し期待が持てそうかな?・・・・・・と思って、貸借対照表を見ますと・・・・・・、不動産まだ買ってないやん!いつ買うねん。
同じページの<投資銀行部門>も笑える。
株式会社フォーサイドの投資銀行部門において、ファイナンシャルアドバイザリー報酬や短期保有目的有価証券の売買益での金融収益を獲得いたします。
デイトレかよ!デイトレが収益の柱?
いやはや、ここまで読んで、私にはこの会社の行く末が少し見えてきました。
いっそのこと、社名を変えちゃいましょうか。
流行に敏感な会社ですから、ブームにあやかって、
「ノーサイド」
おあとがよろしいようで。