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会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

まだまだあるよ「レベル3」

2008-09-25 | 会計・株式・財務
いつもご覧くださり誠にありがとうございます。


6月10日付拙稿「日米ババ抜き選手権  ~リスクテイクのなれの果て」

にてご紹介した、米国金融機関の「レベル3」の残高をまとめていた
三菱UFJ証券さんのレポートですが、先日 最新版『米国金融機関「終りのはじまり」』が出ました。


なお、釈迦に説法ですが、レベル3とは流動性が薄くて時価評価が困難な資産で、
恣意的な評価に傾斜しやすい、というもの。
ここから一体どれだけ損がでるのか、も大きな関心事。


で、このレポートの3ページ目に、8月時点での、米国金融機関が保有する
「レベル3」残高と自己資本とを比較した表がアップされておりましたので
5月との対比をしやすいようにこちらで整理してみました。
レベル3残高の単位は百万ドルです。



            レベル3残高(5月比)   レベル3÷自己資本(%)
-----------------------------------------------------------------        
モルガンスタンレー   69,198  (-8,970)   201%(-34ポイント)

メリルリンチ       64,195  (-18,172)  185%(-50ポイント)

ゴールドマンサックス  78,088  (-18,298)  161%(-31ポイント)

ファニーメイ        65,571  (+2,604)  158%(-3ポイント)

リーマン          41,344  (-1,164)  157%(-14ポイント)

プルデンシャル      28,351   (+1,261)  131%(+12ポイント)

ハートフォード      19,560   (+204)   116%(+7ポイント)

オールステート      22,705   (-297)  115%(2ポイント)

シティグループ      154,656  (-5,689)  113%(-12ポイント)

JPモルガン・チェース  109,724   (+10,868)   82%(+3ポイント)

ウエルズ・ファーゴ     33,799  (+10,377)   70%(+21ポイント)

AIG             48,734   (+270)    55%(+2ポイント)

バンク・オブ・アメリカ   39,527   (-203)    24%(-1ポイント)

ゼネラル・エレクトリック  15,880   (+851)    12%(±0ポイント)
------------------------------------------------------------------------

傾向としては減らしているのですが、
まだまだ高水準にあります。


トップは相変わらず、モルスタ。


モルスタといえば
三菱UFJFGはモルスタへの出資を決断しました。


その子会社である三菱UFJ証券のレポートでも、
親会社の判断を後押しするかのように、
モルスタは売られ過ぎと判断しております。
確かにCDSスプレッドは行き過ぎだと思います。


でも、資本の以上もあるレベル3資産から
今後どれだけ損失が出てくるのか分からない中で
なかなかどうして高度な経営判断です。

実際にモルスタの財務内容がどう評価されて
どのような価格で折り合うのか、・・・・興味は尽きません。








+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

で、本日の1曲。

"ここんとこは仕事オンリー。笑えなくなっている・・・・・。"

という状況の中、突然思い出したのがこの名曲。


スキマスイッチ「全力少年」


脱力中年の私にとってカンフル剤となる1曲です。
最近、歌ってないけど。

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2 コメント

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投資銀行の変質 (温故知新)
2008-09-25 17:35:01
ufoさん、ども。リーマンもモルスタもゴールドマンも、いずれの投資銀行のニュースは我々を驚かせますが、なんとなく直感として思うのは「もはや投資銀行というものの役目は終わりに近づいているのではないか」ということです。
 
いや、それではしっくり来ません。なんというのでしょうか、「投資銀行は次なる変質を求められている」というべきかもしれません。自分でバブルと言う価値を作り出しては、そのバブルを掠め取ってよい暮らしをしてきた投資銀行というオイシイモデルは終わり、本質的に価値創造をする金融機関に生まれ変わらない限り、投資銀行は消え行く運命なのかもしれません。商業銀行の「所詮は金貸し」という性質がリスクテイクをしてきた投資銀行に最終的に勝ってしまったのは悔しいですが。
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既視感 (dancing-ufo)
2008-09-26 01:21:49
{/kuma_fly/

温故さん。
いつもありがとうございます。

投資銀行・・・・・・。
数年前から
やたら「投資銀行」のヨイショ本が出たり、
東大生の就職人気が上がったりとか・・・・
既視感はありました。

バブル期に、野村証券でボーナス300万
とかあったっけ・・・・と思いだしては、
この状況は長続きしないだろうとは思ってました。
失礼ながら、「それ見たことか」という思い。


gooブログを代表する人気ブログ「ぐっちーさん」

「アメリカ金融帝国の終焉」という記事で
http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55/e/de272dbf068e553440b856abd241e182
まさに温故さんと同じような思いを綴っております。
ご参考下さい。

}


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