◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

京進の半期報告書を見て思う

2005-12-10 | 会計・株式・財務

不謹慎とは重々承知しつつも、取り上げてしまいました。
京進は2月決算企業。11月に中間決算の半期報告書を提出。

業態固有の特徴だと思いますが、下期に利益やキャッシュフローが偏重
しております。冬の受験期で一気に回収するというビジネスモデルと
見られます。

貸借対照表には「預り金勘定」が見られなかったので、
収入は月々の月謝が大半を占めていると想定されます。
となると、言わずもがなですが、本日の事件で
信用は決定的に落ちてしまいましたので、今後の収入激減は必至。
企業の社会的責任の点から、被害者のご家族へ相応の補償等もすべき。

となると、個人的な意見ですが、もう公開企業としての体をなさない。



なお、今回の事件を招いてしまった講師(=臨時雇用者)ですが、

最近の売上の伸び以上に、臨時雇用者数は伸びて来ていました。
これをどう見るか?
①科目やクラスを細分化させ、より肌理(きめ)細かい
 指導をしようとしていたのか、
②正社員で雇うよりも人件費を安く上げられ、また雇用調整もしやすいから、
等、いろいろな要因が考えられますが、やはり重要なのは、

「売上の成長を上回るピッチで大量の臨時雇用者を雇い入れてきたが、
 頭数確保を優先させる余り、結果としてその品質管理に瑕疵があったこと」

ということです。

それにしても、みずほ証券といい、京進といい、一人の関係者のミスが
会社の屋台骨を揺るがす大事件になってしまう。
背後には、効率重視の余り、何かを失ってきたのでは?と
問いかける事件でもありました。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「ジャスコの法則」再び | トップ | ライブドアの「ブランド錬金... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

会計・株式・財務」カテゴリの最新記事