ワケのわからんタイトルで恐縮です。
今マスコミを賑わしているMNPよりも、今回ご紹介する話の方が面白いと、
勝手に思ったまでです。
総合月刊誌「選択」11月号に「NTTの泣き所を攻めるKDDI」という記事に
注目しました。その主なポイントとコメントを少々。
ご興味ある方は是非原文をご覧下さい。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
選択11月号 p.64
◆「放送と通信の融合」
世界の潮流はユーザーが好きな時に視聴できる「IPTV」※の方向にある。
※IPTV=インターネットでの伝送方式を用いた放送。
高速ネット回線上に放送コンテンツを載せる方向にあると。
◆これは通信会社にとって大化けできるチャンス。
ところが、NTTに限って見ると、NTT法によって放送事業を行うことが禁止されており、
最大の弱点となっていると。
NTTがIPTV事業を行うためには他の放送事業者と組む必要あるが、
この場合、単なる「回線屋」の役割だと。
◆これに目を付けたのがKDDI
ケーブルテレビ局の統合事業者を効率的に買収していく戦略を取り、
IPTVビジネスを自社単独の固有ビジネスとして提供していくと。
今年3月に国内第二位のジャパンケーブルネットを買収し、傘下へ。
で、現在買収のターゲットにしているのが、JASDAQ市場で株式を公開している
日本最大のケーブルテレビ統括会社(もうおわかりですよね)であるとのこと。
但し、総務省がこの買収に「待った」をかけているとか。
そのケーブルテレビ統括会社が外資系企業の色彩があることが影響だとか。
----------------------------------------------------------------------
(コメント)
①・・・・ということで、KDDIが日本最大のケーブルテレビ統括会社を買収できるかが、
将来の業界地図を塗り替えるかも知れない、ということだそうですので
気長に注目していきましょう。
②と、さすがにこれだけではオリジナリティが全くないので、
その買収候補とされる企業の財務諸表を見てみました。
■直近四半期決算短信
http://www.jcom.co.jp/ir/library/pdf/fy2006_3q_1.pdf
(すいません、リンクしてませんのでアドレスをコピペして下さい。)
この表紙からお分かりのように、「米国会計基準」を採用しております。
これがこの会社の決算処理の「肝(きも)」となっているようです。
といいますのも、この会社自身もいろいろとケーブルテレビ局を買収
しているようでして、
p.6の連結貸借対照表を見ますと、営業権(のれん)が2,070億円と
総資産5,959億円の約3分の1を占めております。
自己資本が2,654億円からみますと8割弱の水準に達しております。
で、カンの鋭い方はもうお分かりかと思いますが、
米国基準ではのれんを毎期毎期償却することはしません。
もちろん、買収先の収益力が低下する等の場合には減損会計の適用により、
減損処理されることがあり得ますが。
ですので買収戦略を進めれば買収先の利益がプラスオンされるうえ、
(日本基準では当然に行われる)のれんの償却も無いので、
この会社のビジネスモデルに誠に好都合な会計基準であるといえるかも知れません。
で、ここからはさらに「余計なお世話」的な話です。
仮にKDDIが買収できてこの会社を連結子会社にするとなると、
また会計処理が面倒になるでしょう。
と言いますのも、KDDIは日本基準を採用。
ですので、この米国基準で作られた子会社の決算書を連結するに際しては、
一度日本基準に読み替える必要が生じるでしょう。
となると、その子会社の利益ものれんの償却があったものとして
再計算される可能性があります。
で、言いたいことは、思ったよりも利益の上乗せができないかも知れない
・・・っていうことです。
以上、門外漢による戯言として聞き流して下さい。
今マスコミを賑わしているMNPよりも、今回ご紹介する話の方が面白いと、
勝手に思ったまでです。
総合月刊誌「選択」11月号に「NTTの泣き所を攻めるKDDI」という記事に
注目しました。その主なポイントとコメントを少々。
ご興味ある方は是非原文をご覧下さい。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
選択11月号 p.64
◆「放送と通信の融合」
世界の潮流はユーザーが好きな時に視聴できる「IPTV」※の方向にある。
※IPTV=インターネットでの伝送方式を用いた放送。
高速ネット回線上に放送コンテンツを載せる方向にあると。
◆これは通信会社にとって大化けできるチャンス。
ところが、NTTに限って見ると、NTT法によって放送事業を行うことが禁止されており、
最大の弱点となっていると。
NTTがIPTV事業を行うためには他の放送事業者と組む必要あるが、
この場合、単なる「回線屋」の役割だと。
◆これに目を付けたのがKDDI
ケーブルテレビ局の統合事業者を効率的に買収していく戦略を取り、
IPTVビジネスを自社単独の固有ビジネスとして提供していくと。
今年3月に国内第二位のジャパンケーブルネットを買収し、傘下へ。
で、現在買収のターゲットにしているのが、JASDAQ市場で株式を公開している
日本最大のケーブルテレビ統括会社(もうおわかりですよね)であるとのこと。
但し、総務省がこの買収に「待った」をかけているとか。
そのケーブルテレビ統括会社が外資系企業の色彩があることが影響だとか。
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(コメント)
①・・・・ということで、KDDIが日本最大のケーブルテレビ統括会社を買収できるかが、
将来の業界地図を塗り替えるかも知れない、ということだそうですので
気長に注目していきましょう。
②と、さすがにこれだけではオリジナリティが全くないので、
その買収候補とされる企業の財務諸表を見てみました。
■直近四半期決算短信
http://www.jcom.co.jp/ir/library/pdf/fy2006_3q_1.pdf
(すいません、リンクしてませんのでアドレスをコピペして下さい。)
この表紙からお分かりのように、「米国会計基準」を採用しております。
これがこの会社の決算処理の「肝(きも)」となっているようです。
といいますのも、この会社自身もいろいろとケーブルテレビ局を買収
しているようでして、
p.6の連結貸借対照表を見ますと、営業権(のれん)が2,070億円と
総資産5,959億円の約3分の1を占めております。
自己資本が2,654億円からみますと8割弱の水準に達しております。
で、カンの鋭い方はもうお分かりかと思いますが、
米国基準ではのれんを毎期毎期償却することはしません。
もちろん、買収先の収益力が低下する等の場合には減損会計の適用により、
減損処理されることがあり得ますが。
ですので買収戦略を進めれば買収先の利益がプラスオンされるうえ、
(日本基準では当然に行われる)のれんの償却も無いので、
この会社のビジネスモデルに誠に好都合な会計基準であるといえるかも知れません。
で、ここからはさらに「余計なお世話」的な話です。
仮にKDDIが買収できてこの会社を連結子会社にするとなると、
また会計処理が面倒になるでしょう。
と言いますのも、KDDIは日本基準を採用。
ですので、この米国基準で作られた子会社の決算書を連結するに際しては、
一度日本基準に読み替える必要が生じるでしょう。
となると、その子会社の利益ものれんの償却があったものとして
再計算される可能性があります。
で、言いたいことは、思ったよりも利益の上乗せができないかも知れない
・・・っていうことです。
以上、門外漢による戯言として聞き流して下さい。