1/8の日経27面に「売場面積50㎡未満の小売店数58万店」という
コラムがありました。まず要約、その後コメント。
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・中心市街地を支えてきた個人経営の店舗が減少。
売場面積50㎡未満の小売店数 1994年:約82万店 →2004年:約58万店
全小売店舗数に占める比率 55% 47%
・一方、大型商業施設は郊外中心に増加。
都道府県への届出が必要な1,000㎡以上の店舗 2004年 17,000店
(94年比で5割強増加)
・98年にまちづくり三法(改正都市計画法、大規模小売店立地法、中心市街地活性化
法)を定めたが、中心市街地テコ入れ効果が上がらず、郊外店への規制強化へ。
↓
通常国会提出予定の三法改正案では、
07年にも延床面積10,000㎡超の小売店を建てられる地域を
「中心部の商業地域」に限定
・しかし、今回の改正が行われたとしても効果を疑問視する声多し。
-中心部衰退の背景には、高齢化・人口流出といった構造問題あり、
-衰退の主因は、魅力ある店舗作りをしてこなかった商店街、自治体の努力不足
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(コメント)
まちづくり三法の改正の妥当性は識者の議論に委ねるとして、
今回はへそまがり的視点から2つほどコメントを。
①個人経営、いわゆるパパママストア衰退ですが、一昨年の改正消費税法施行も影響
しているのではないでしょうか。
いわゆる免税点が年間3,000万円から1,000万円に引下げられております。
免税点は、売上がその金額に達しなかったら、受け取った消費税は納付しなくて
良いというものでして、いわゆる「益税」につながるものです。
この基準が大幅に引き下げられたことで、益税の旨みを失い、店舗を継続する意欲
をさらに無くしている商店主は意外と多いかも知れません。
だとすると、
本気で個人商店を増やしたいのなら、まちづくり三法の改正ではなく、
税制上の旨みを復活あるいは増大させるような仕掛けが、
実は効果的かも知れません。
②(さらに本質から外れますが)
大ヒットした映画「三丁目の夕日」を通じて、
「やっぱり、夕日町三丁目のような商店街は必要だ」という
やや勘違い的、潜在的、国民的なコンセンサスが形成されつつある
ような気がします。
そうだとしますと今回の改正案、あっけなく通過するかも知れませんね。
でも例えば、昔ながらの商店を立ち上げたとしても、
買う側の消費者の行動様式が決定的に進化してしまっている。
消費者がそもそも料理する回数が少なくなっているうえ、
価格・品質・鮮度に対する目が格段に厳しくなっている。
従来型商店の再生は困難を極めるでしょう。
となると体力、商品力に勝る小売有力チェーンが、
この中心市街地向けに(大型店以外で)新たな業態を開発し、打ち込めるか、
ここが1つのカギになるのでしょうか。
非常に重要な問題だと思いますので、今後も適宜コメントしたいと思います。
コラムがありました。まず要約、その後コメント。
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・中心市街地を支えてきた個人経営の店舗が減少。
売場面積50㎡未満の小売店数 1994年:約82万店 →2004年:約58万店
全小売店舗数に占める比率 55% 47%
・一方、大型商業施設は郊外中心に増加。
都道府県への届出が必要な1,000㎡以上の店舗 2004年 17,000店
(94年比で5割強増加)
・98年にまちづくり三法(改正都市計画法、大規模小売店立地法、中心市街地活性化
法)を定めたが、中心市街地テコ入れ効果が上がらず、郊外店への規制強化へ。
↓
通常国会提出予定の三法改正案では、
07年にも延床面積10,000㎡超の小売店を建てられる地域を
「中心部の商業地域」に限定
・しかし、今回の改正が行われたとしても効果を疑問視する声多し。
-中心部衰退の背景には、高齢化・人口流出といった構造問題あり、
-衰退の主因は、魅力ある店舗作りをしてこなかった商店街、自治体の努力不足
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(コメント)
まちづくり三法の改正の妥当性は識者の議論に委ねるとして、
今回はへそまがり的視点から2つほどコメントを。
①個人経営、いわゆるパパママストア衰退ですが、一昨年の改正消費税法施行も影響
しているのではないでしょうか。
いわゆる免税点が年間3,000万円から1,000万円に引下げられております。
免税点は、売上がその金額に達しなかったら、受け取った消費税は納付しなくて
良いというものでして、いわゆる「益税」につながるものです。
この基準が大幅に引き下げられたことで、益税の旨みを失い、店舗を継続する意欲
をさらに無くしている商店主は意外と多いかも知れません。
だとすると、
本気で個人商店を増やしたいのなら、まちづくり三法の改正ではなく、
税制上の旨みを復活あるいは増大させるような仕掛けが、
実は効果的かも知れません。
②(さらに本質から外れますが)
大ヒットした映画「三丁目の夕日」を通じて、
「やっぱり、夕日町三丁目のような商店街は必要だ」という
やや勘違い的、潜在的、国民的なコンセンサスが形成されつつある
ような気がします。
そうだとしますと今回の改正案、あっけなく通過するかも知れませんね。
でも例えば、昔ながらの商店を立ち上げたとしても、
買う側の消費者の行動様式が決定的に進化してしまっている。
消費者がそもそも料理する回数が少なくなっているうえ、
価格・品質・鮮度に対する目が格段に厳しくなっている。
従来型商店の再生は困難を極めるでしょう。
となると体力、商品力に勝る小売有力チェーンが、
この中心市街地向けに(大型店以外で)新たな業態を開発し、打ち込めるか、
ここが1つのカギになるのでしょうか。
非常に重要な問題だと思いますので、今後も適宜コメントしたいと思います。
ここまで言ってしまうことがこのブログでよいかどうかわかりませんが、やはり中心市街地には選挙に行く高齢層の有権者が多いことを狙った、政治的な活動の一環としか思えません。
本当にコンパクトシティを作ることによって、都市の肥大化を防ごうというならば、中心市街地で既得権益を持っている地権者達の利権調整を強制的にできる法律を作るほうが先だと私には思えます。加えて、もう既に郊外に住んでいる人間達が今後損失を受けないように配慮もすべきでしょう。
温故知新さん、
プロならではの切れ味鋭い
コメントありがとうございました。
この政策は、中心市街地の価格を少しでも
吊り上げて、やる気のない商店主に気持ち
よくEXITしてもらうための仕掛けなんですね。
この改正は小売セルサイドのアナリスト
の方々から総スカンを喰っている理由、
よく分かりました。