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日経ヴェリタス3/30号に思う

2008-03-30 | 会計・株式・財務

日曜恒例のヴェリタスへのツッコミです。

 


P.1 「中国株、宴は終りか」

そんな質問調のタイトル、やめて下さい。
知りたいのはこっちのほう。   

でも、どう見たって終りでしょう?

2面の、北京の証券会社の株価ボードの前でカードゲームに興じている
「株民たち」の写真を見れば・・・・末期症状すら感じます。

あんたら,そろそろ働いたら?



P.12 企業紹介で「一休」ですかぁ・・・?

森社長は個人的に良く知っているし、
経営効率の良い会社ってのもよく判るが、
スモールキャップで流動性低い。
前週のセブン&アイとの落差も大きい。

こんな相場こそ、割安感のあり、かつ分析の難しい
大型株を取り上げて日経独自の視点で切り込んだ分析情報が欲しいのだが・・・・。

担当記者が「ひと休み」してもらっては困る。



p.16 「サッポロHDは不動産株か」


また質問調。そうじゃないんですか?
連結セグメント情報(PDFのP.34)を見るまでも無く、
不動産屋がビールを造っているっているのが 定説でしょう?

 決算短信⇒http://www.sapporoholdings.jp/ir/report/fs/pdf/H19_12.pdf
 

そうそう、決算書でよく判らなかったのが、スリーマンビール等の「のれん」。
H19/12末残高276億円もあるけど、昨年の償却額は11億円。
ちょっと償却が少ないんじゃないかと思ったんですが、気のせいでしょうか。



さて、4月にはモルガンスタンレーと恵比寿ガーデンプレイスにおける業務提携がスタート。
不動産をバリューアップさせることは確かに重要。

 でしたら、こんなキャチコピーはいかがでしょうか。

 

 男は黙ってサッポロビール。


  女は笑ってガーデンプレイス。』 
(
・・でお仕事とお買い物)


前段は過去の名コピー。
私が付けた後段は、男女均等の現代にマッチした秀作だと思いますが・・・
(自分で言うかね)。



P.79 放電塔

最後はマジメに。やはり重要な情報は最後の最後に出てきました。
3月26日に日本公認会計士協会が監査法人向けに出した通達が話題になりそうです。

「証券化商品の評価等に対する監査に当たって」
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/pdf/5-99-0-2-20080326.pdf


要は、銀行、証券だけでなく一般事業法人の監査に際しても、
証券化商品の時価評価を厳格にやってくれい!って内容でして、

特に、
「証券化商品について流動性を十分に考慮せず、
信用リスクの評価に過ぎない格付けに依存した価格評価を行っている
場合などは、時価としての妥当性はない
と考えられるため留意が必要。」
・・・協会の厳しい姿勢が顕れております。

この時価評価及びそれに伴う減損処理が今決算の波乱要因となりそうです。
損失の金額だけでなく、その対象元本、時価の把握・算定方法は要チェックでしょう。


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2 コメント

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cmキャラ候補 (jojo)
2008-03-31 01:34:00
いつも楽しく拝見してます。

ガーデンプレイスのコピー、
自分的には気に入りました。

CMは、三船敏郎の娘、三船美佳を起用して
ダンナの高橋ジョージと共演というのはどうでしょうか。





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しかし証券化商品の評価は可能か (元会計士)
2008-04-03 20:49:39
サブプライムを組み込んだ証券化商品の時価を評価しろといったって 実際できるものだろうか?
実際 市場が萎縮してサブプライムが含まれているかどうかわからないということで買い手がいない。内容がわかる未上場株でも時価評価となったら難しいのに格付けを信じて購入してきた海外の証券化商品の時価など評価できるものでしょうか?米国の投資銀行や日興證券を買収したシティ銀行でさえ追加評価損としているのに。。。
いっそゼロ評価にでも追い込まれるのでは?
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