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やはり株価分析では少数株主持分に注目!-米国新会計基準公開草案の衝撃-

2006-02-16 | 株価分析では少数株主持分に注目

更新が遅れてすいませんでした。
今日は職場の新人君とちょっと飲んでまして。
それにしても居酒屋「和民」の大阪焼190円はお値打ち感は大きいですね。

さて、久々に会計ネタ。

プロの方ならそんなのもう知っているよ、というネタですが、
そのご紹介と日本の株価評価に与える影響を少し考えてみました。

まずは、中央青山メールマガジンで見つけたこの記事からご紹介。
(メルマガといえば、本ブログのコメンテーターで大学の同窓である
  なべや氏による無料メルマガ「経営虎の穴」へのご登録有難うございます!。
  まだの方はこの機会に是非お願いしますね。 
http://www.mag2.com/m/0000180889.html




中央青山 JBN海外サポート 06.2.2
■ アメリカ 企業結合・連結財務諸表に関する新会計基準の公開草案

見るヒトが見れば、結構大きな方針転換であることがわかるかと思います。
出所はこちらです。是非ご一読下さい。
http://www.japan-bus.pwc.com/ins-sol/library/nletter/5122.html

内容は強烈です!。
専門用語が多いので申し訳ありませんが、結論っぽいことだけまず書き出します。


<企業結合>

① 米国会計基準では企業結合は公正価値評価に基づくパーチェス法を適用
   →今回名前が変わる!アクイジション法(Acquisition method)

② 買収者(親会社)が計上するのれんは、親会社持分のみならず、少数株主の
  のれんも含める。!
  一方、少数株主持分も従来基準と比べて当該のれんの額だけ増加する。
  
  →ざっくり言うと、のれんとそれに見合う形で少数株主持分が
   両建てでカサ嵩上げされる。

 (参考引用部分)
  被買収者(Acquiree)そのものを総体として公正価値で測定すること
  (measure the fair value of the acquiree, as a whole)が求められます。
  すなわち、取得者(Acquirer)は買収日に被買収者を総体で公正価値で評価し、
  基本的にすべての資産及び負債を公正価値で認識・測定することになります。
  日本の会計基準でも全面時価評価法、部分時価評価法などの方法が規定されて
  いますが、現行の米国会計処理は部分時価法に近く、公開草案はこれを
  全面時価法に移行させるものといえます。
  ただし、日本の会計基準では全面時価法においてものれんは親会社持分しか
  計上されないのに対し、公開草案では非支配持分ののれんも含めて総額を
  買収日に計上することを要求している点で、全面時価法をさらに推進していると
  考えられます。

それだけじゃない!!

<連結>
少数株主持分の名称と貸借対照表上の表示がついに変更となりそうです。
現在、少数株主持分(minority interest)は負債の部と資本の部の中間に計上される
ことが一般的ですが、公開草案は少数株主持分の名称を非支配持分と変更し、
資本の部の1項目として計上することを要求しています。

この背景には、公開草案が予定している連結の会計処理の変更は、
FASBが「経済的単一説により連結財務諸表が作成されるべきである」とした結論から
生じているとのこと。

米国ではついに、少数株主持分、じゃなかった非支配持分は株主資本の一部に
なります

日本でも新しくできる純資産の部に少数株主持分は含まれますが、
株主資本の中には含まれません。


端的にいえば、株式の51%を買収して連結子会社にしてしまえば、
残る49%の少数株主の持分も株主資本の中に自動的にカウントされると
いうことです。
しかも、②で見ていただいたように、買収した段階で、
のれんと少数株主持分は両建てでカサ上げされる仕掛けとなっています。

したがって、買収すればするほどのれんと株主資本は膨れ上がっていくという構造
です。
ご存知の通り、米国基準では日本のようにのれんの定額償却っていうのはありません。

ますまず企業買収熱を煽る会計基準の変更となるのではないか?
というのが率直な感想
です。


■日本への影響は?

経済的単一説は日本の商法になじまないということを聞いておりますので、
日本基準が直ちにこれに倣うっていうことは考え難い。

でも視点を変えて見てください。

米国投資家の目で日本株を買うとしたら


これも邪推の域をでませんが
自国の新基準に合わせて財務諸表を組み換えて株の割安・割高を判定するかも
しれません。
何が言いたいのかというと、差し当たっては、
少数株主持分を株主資本に加算して1株あたり株主資本を計算し、それとの比較で
実は割安っている会社を買いに行くかもしれない
ということです。

つまり、バランスシート上に多額の少数株主持分のある会社については、
実は割安!という評価になるかもしれない!
ってことです。

風が吹けば桶屋が儲かる的な話で恐縮ですが、
何かの投資ヒントになれば幸甚です。

もちろん、投資は自己責任でお願いしますよ。


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