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会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

クロニクルは「クロになる?」

2013-01-30 | 会計・株式・財務
意味不明のタイトルで恐縮です。ダジャレです。
スイス資産家事件が世間を賑わせておりますが、一部の上場会社と関係があるようですね。

闇株新聞によりますと、スイス資産家殺害事件の被害者は、スイスでファンド管理などをしている人物で、そのファンドとは、2011年12月に発行された上場会社「クロニクル」の新株予約権の一部を引き受け、さらに昨年その未行使分の大半を譲渡されていたファンドであり、それ以前も2007年頃にクロニクルの新株を引き受けていたとのこと。
(一部ネット情報によれば、Japan Opportunity Fundという会社のファンドマネージャーだとか)

このブログは財務がテーマですので事件は横に置いておいて、財務諸表や監査の観点からこの会社・クロニクルを見てみることにします。

ここのところ経営は厳しく、目を覆うばかり。
H24年9月決算→決算短信


それ以前から赤字は継続しており、昨年5月は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在する旨の開示もしております。


最近の業績コメント(H24年11月)を日経から引っ張り出して見ても・・・冴えない。
【宝飾品販売環境厳しい】新株予約権の行使による資金調達で宝飾品事業の店舗展開目指すが、景況感悪化に伴う高級品の販売環境悪化が懸念材料。スマートフォン向けSNSアプリ事業などの展開も目指すが、営業黒字転換は不透明。前期にあったのれん代の減損損失などが減り最終損益は改善を見込む。

こんなんでよく上場維持できてるな・・・・と思ったところに
トドメとなるのでしょうか、第三者調査委員会設置のお知らせ。過去の決算において、一部の会計処理の訂正を要する可能性のある事象が判明し、過去に提出した有価証券報告書等についても訂正を要する可能性があるとのこと。



監査報告書を見ると、担当したのは清翔監査法人。初めて聞く名前。

しかし、2期前の監査報告書を見て納得しました。
そうか、過去、監査法人元和が担当していたのか。

元和と言えば、ランドの担当監査法人(→拙稿「粉飾ランド」をご参照下さい)
これは推測の域を出ませんが、当局は過去にここが監査を手がけた企業を洗いざらい見直しているのかも知れません。

ちなみにこの会社。
週刊ダイヤモンド1月26日号の倒産危険度ランキングでは「ランクイン」しておりませんでした。
週刊 ダイヤモンド 2013年 1/26号 [雑誌]
ダイヤモンド社
というのも、自己資本比率が86%もあるんですから。しかし払込資本がほとんとで、手持ちの現預金はH20年9月の7億円から1億円台まで取り崩されており、見た目ほど財務状況は良くありません。
やはり定量分析だけでは限界があるってことですよね。


クロニクルは監査法人元和関連銘柄として今後どうなっていくのか目が離せません。
本当にクロにナルのでしょうか。だとすると、シャレになりません。
そしてランド、クロニクルに続き今度はどこが脚光を浴びそうなのか、関心は高まるばかりです。



なかのひと



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