小売業の決算説明会が本格化し、私もいくつか顔を出しておりますが、
本日出席したある百貨店の説明会で興味深い質問が出ておりましたので、
備忘録的に記しておきたいと思います。
まっ、公表されている話なので現物で確認して頂きましょうか。
① 本日発表の連結決算短信:p.20
2007年2月期の決算で「固定資産の減損会計」を適用した結果、
千葉店で21億円の損失が発生。
http://www.mitsukoshi.co.jp/pc/corp/pdf/kessan6.pdf
② 2006年2月期 有価証券報告書 「設備の状況」
千葉店の建物等の帳簿価格 15億円
https://info.edinet.go.jp/EdiHtml/main.htm
お手数ですが、EDINETで①の会社名でご検索下さい。
・・・・・エッ?帳簿価格を超える減損?
そりゃぁ、2007年2月期に多額の改装投資とか行って、
帳簿価格がかなり上昇して、そこから減損をした、ってことも考えられますが、
会社側の説明を聞くとそういうワケでもなく、結局、理由はよく分かりませんでした。
まぁ、この会社の規模から見て重要性は小さく、
「だから何なんだ」と思われる方が多いと思われるので、
私も指摘することだけに留めておきますが、
アナリスト・投資家はそういうところまでちゃんと見ているってことを お忘れなく。
でも、実際のところ、どう理解すればよかったのでしょうかねぇ?
小売業はおそらく店舗ごとに減損のグルーピングを行っているところが多く、店舗で使用しているリース資産もたとえオフバランス処理していても減損の対象となります。
リース資産を減損した場合は負債にリース資産減損勘定というものを設けて、残存リース期間に応じて毎期取り崩して支払リース料と相殺していきます。
某監査法人勤務会計士さま
明快なご解説、まことに有難うございました。
なるほど、・・・・・・・ですね。
でも、社長ないしその場に同席していた
経理・財務担当役員が
そういう風に答えてくれれば良かったんですけどね。
何か社長が慌てていて意味不明(少なくとも私には)の
ことを言ってたのが印象的でした。
社長が会計リテラシーのあまりない方であれば、減損のつっこんだ話などは余り明確に答えられないんでしょうね。
dancing ufo さんは会計士でアナリストをされているということでいつも大変興味をもって勉強させて頂いています。頑張ってください!