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会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

「世代会計」と「財政的幼児虐待」

2005-09-11 | 時事その他雑感
日経書評欄で紹介されていた「破産する未来」
(L・Jコトリコフ、S・バーンズ著)は
私も非常に気になっている一冊です。


2030年、米国では退職者の急増に働き手の増加が
追い付かず、年金・医療の負担が耐え切れない水準にまで
上昇する。


そして、これから生まれてくる世代は、現存する世代に
比べて、損失を背負うことが義務付けられている。

米国の現世代と将来世代とが生涯に負担する税率を
同じようにしようとするなら、
現在の個人、法人の所得税の増税幅を78%にしなくては
ならない。

「世代会計」とは、国・自治体と国民との間のあらゆるお金やサービス
のやりとりを推計し、その収支格差を世代ごとに比較したもの。
そして、子供を犠牲にして現世代を甘やかす為政者への皮肉を込めて
著者は上記のような事実を「財政的幼児虐待」と呼んでいる。



世代会計が初めて明らかにした米国経済の戦慄の未来は、
まさに少子高齢化大国・日本の明日の姿に他ならない。

日本の少子化の要因として、
「このままでは子供が負うべき負担が重すぎて可哀想だ」
という思いがあることは否めない。
国民もすでに本能的に世代会計を意識しているのだ。

公のリストラ、財政規律、そして増税。
「財政的幼児虐待」を少しでも緩和していかないと
少子化はさらに深刻化していく。

ご存知だろうか、
2003年の日本の人口構成を前提にすると、
西暦3,000年には人口は27人となってしまうことを。


破産する未来 少子高齢化と米国経済

日本経済新聞社

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