米海軍大学校の中国海自研究所が、中国のグレーゾーン作戦について、その実態をまとめた論文集です。
グレーゾーンとは純然たる平時ではないものの、有事でもない状況を指す軍事用語で、
中国による南シナ海における権益拡張行動や尖閣諸島周辺で浮遊する中国公船の活動にその典型を見ることができる。
中国共産党のグレーゾーン作戦を支えているのが、中国海警局と中国海上民兵です、
この二つの組織について実態を詳細に分析していますが、特に中国海上民兵については従来ほとんどまとまった情報がなく、
本紙によって得られるものは少なくない。
中国にとってのグレーゾーン作戦の実態、中国海警局と中国海上民兵がどのような働きをするのか、
それに対しての日米の対応方法はについて中国情報に詳しい研究員や現役軍人が分担して各章の筆を取っています。
中国は国力が増してきた時に国防においてA2/ADを打ち出してきました、
一方で経済力についても一路一帯を掲げてGDP世界第2となりました。
この様な状況においてアメリカと対等でありアメリカに代わり世界を牛耳としようと目論見ます、
その行動に東シナ海、南シナ海でのグレーゾーン作戦です。
如何にして中国が他国に影響力を見せつける方法と、資源拡大と経済力拡大を目論んでいるか指摘しています。
アジア諸外国ではベトナム、フィリッピンでの対応方法により差が出来ました。
日本では尖閣諸島への中国海警局の行動がエスカレートしていきます、
この対処方法を誤ると中国は隙をついてくることは明白です。
日米安保条約でのアメリカ対応について期待していてはいけないことを警告しています。
アメリカは政権が変わると対応も違ってきます、それは中国にとってはねらい目であり、その隙を突いてくるでしょう。
本書ではいか中国が戦略的にグレーゾーン作戦を展開しているか警告しています。
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