DayDreamNote by星玉

創作ノート ショートストーリー 詩 幻想話 短歌 創作文など    

十字路ですれ違った君へ

2019年04月21日 | 創作帳
十字路ですれ違った君へ





あの日


君と僕が

 

   十字路ですれ違ったとき


すれ違いざま 

    とても美しい音が 聞こえた気が したんだ




透き通った硝子の かけらが

  優しくやわらかく 



 そして一瞬 

     強く触れ合うような音 




僕は その音を 

    何とか僕なりに 表してみたいと 思った


そして 頭を抱えた




何て事を   考えてしまったんだろう


「あの音」を もう一度 

    奏でたい  だなんて




僕の 出来ることといえば 

   せいぜい つたない言葉 を紡ぎ


この白い紙の上に記すこと くらいなのに






ねえ、君


   万にひとつの 可能性


君がこの物語を 

     手に取ることが あるだろうか


だとしたら 



 お願いだよ




かすかにでも 遠くにでも 

      何かしら あの音 が 聞こえたなら


この 不完全な 物語の 

すきまを 


君の好きな色のかけら で 

        埋めてく れないかな




だけど もしも 
 君に 好きな色も 埋める かけらも ないというなら




粉々に 砕いてください       

     



          君の手で




僕は どちらでも かまわないんだ






 君が 

          この物語を 見つけてくれるなら………
……………………………………













…… Mより君に 伝言を預かりました………























Saudade-preludeとして-

2019年04月21日 | 創作帳
 Saudade

   -preludeとして-




もしも

   わたしが





 銀河を流れ飛ぶ

      蛍になり





    透き通る水に映る

            金色の草影を食み



乾いた夜に甘い風の吹く

      星を感じるのならば






  あなたと



              笑い合い

    泣き合い



 行き合い



          渡り合い






 蜜のように過ごした時代は



  幾たびも

          ここに




 吹くだろう















  あなたをたずねる



    蛍になった わたしは






世界中の

     一秒間にも満たない瞬きと



宇宙の星の



   億光年の息づかいと



百万回を継ぐ



   人の世と



    それらすべてを集めても



 足りないくらい





            届かないくらい







     深く遠く果てしない



  森の中に



                 身を尽くし





掘られた

                井戸の中で






    この

     一瞬だけ



   眩く眩く

           時を放ち






 永遠に



        なれるだろう













  ……四月の雨と秋の蛍に……

      Mよりお伝えください………








   「抱き合って


             眠れます




     ように」