さみしがりやの、やぎがいました。
やぎは、森の奧の奧の奧に行く道をぬけたところにある、
山の奧の奧の奧の、切り立った、がけの、まんなかの、小さなあなに、すんでいました。
めったに、だれに会うこともありません。
さみしいので、遠くのお友だちや知りあいに、毎日、お手紙を書きました。
ゆうびんやさんは、めったに、ここまできません。
だから、書いたお手紙は、めったに、出せませんでした。
たまに、うんよく、お手紙を出せたとしても、おへんじは、ちっとも、きません。
おへんじを、書いてもらえないのか、お手紙が、とどいていないのか、わかりません。
あまりにおへんじがこなくてさみしすぎるので、
やぎは、自分あてに、おへんじを書くことにしました。
自分へのお手紙。
自分へのおへんじ。
さみしがりやのやぎは、毎日毎日、お手紙を書きました。
やがて、やぎのおうちは、お手紙でいっぱいになりました。
しかたないので
古いお手紙から、むしゃむしゃ食べちゃおうかな……と、思い、
ひとくち、お手紙をかじってみましたが、
なんだか、あんまりおいしくないので、食べるのは、やめにしました。
きょうも、お手紙を書きながら
さみしがりやのやぎは、
まっています。
ゆうびんやさん、こないかなあ。
(イラスト提供は「イラストAC」蘭丸さんより。ありがとうございます。)
やぎは、森の奧の奧の奧に行く道をぬけたところにある、
山の奧の奧の奧の、切り立った、がけの、まんなかの、小さなあなに、すんでいました。
めったに、だれに会うこともありません。
さみしいので、遠くのお友だちや知りあいに、毎日、お手紙を書きました。
ゆうびんやさんは、めったに、ここまできません。
だから、書いたお手紙は、めったに、出せませんでした。
たまに、うんよく、お手紙を出せたとしても、おへんじは、ちっとも、きません。
おへんじを、書いてもらえないのか、お手紙が、とどいていないのか、わかりません。
あまりにおへんじがこなくてさみしすぎるので、
やぎは、自分あてに、おへんじを書くことにしました。
自分へのお手紙。
自分へのおへんじ。
さみしがりやのやぎは、毎日毎日、お手紙を書きました。
やがて、やぎのおうちは、お手紙でいっぱいになりました。
しかたないので
古いお手紙から、むしゃむしゃ食べちゃおうかな……と、思い、
ひとくち、お手紙をかじってみましたが、
なんだか、あんまりおいしくないので、食べるのは、やめにしました。
きょうも、お手紙を書きながら
さみしがりやのやぎは、
まっています。
ゆうびんやさん、こないかなあ。
(イラスト提供は「イラストAC」蘭丸さんより。ありがとうございます。)