冬の深夜、エアコンで乾燥した部屋で喉が渇かないはずはなく、ウイスキーの珈琲割りだか珈琲のウイスキー割りだか一体全体どっちなんだか分からないような微妙な飲物の調合して飲む。エタノールは78.3度以上で湯気と共に空気中に蒸散するから、熱い珈琲に入れたウイスキーはしばらく経てばその風味だけを残して酔うようなもではなくなる。そんなのを飲んでいるうちに時間は午前2時。
ところで以前、朝刊は判で押したように午前2時20分頃に届いたが、今は1時40分頃に早まった。配達件数が減ったんだろう。それを補うために新聞社も大分副業に手を出しているが、そのうち、新聞からの収益がかつての半分ほどになるだろうから、そうなると新聞社の看板も大分寂しくなる。かつての造船会社や万年筆会社なども同じ道をたどった先人であるが、会社は無くなってないから、工夫さえすれば過度な心配はいらない。地方へ行くと今の商売の内容と屋号がマッチしない老舗も随分あって、『さかなや(魚屋)』『さかや(酒屋)』『油屋』『鍵屋』などと名乗ってはいても、今は旅館だったり飲食業だったり...。
さて、そんな世情のなか、去年の秋以降、歯抜けになっていた商店街が大分埋まり始めている。理由は、コロナ前に起業しようと計画していた人達が今迄待機していたが、でもとうとう待ちきれなくなったと見える。気になるのは、ラーメン屋の比率が高いことだ。食事時間帯は兎も角、それを外れると店は閑散として、以前のようにダラダラと時間差で客が入るわけでは無い。今はまだ起業時の運転資金が続いているようだが、このままではいずれそれも底をつくのは目に見えている。だが、一年保たずに閉店では、自らが許さないのだろう。家族を抱えていると大変だが、健闘するしかない。
【Eric Andersen - Avalanche】