『この姉妹、かなり○○い』というドラマの宣伝文を見た日には、食い付かないわけにはいかない。
そのTV ドラマ『妄想姉妹』は、今年初め、日本テレビ放送網で深夜に O.A. されていたものだ。先日、DVD BOX がリリースされた。
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20年前に他界し、昭和の文豪といわれた作家・市川草太郎には、晶子、藤尾、節子という遺児・三姉妹がいた。
さて、その三姉妹にある日、鍵ひとつが同封された父からの手紙が届く-----説明されてはいないが、例えば弁護士のような第三者から発送されてきたもののようだ。
末娘の機転で、その鍵が父の書斎の隠し金庫のものだと判明する。金庫には『順番に読め!』というメモと共に十一冊の本が仕舞われていた。
みだれ髪
虞美人草
風立ちぬ
外科室
智恵子抄
白痴
お勢登場
女生徒
にごりえ
藪の中
瓶詰地獄
脚本家・三浦有為子が、この十一作品を好き放題に翻案し、三姉妹である三女優それぞれが妄想の中で主役を演じる。
『自分達の母親は、それぞれ違うのではないか』という『三姉妹のかねてからの疑問が謎解きされていく大筋』に加え、翻案ドラマに於いては、それぞれの女優が異なるキャラクターを演じる仕掛けは新機軸である。その点、女優にとっては難しかったようだが、その分、視聴者は変わった趣向を楽しめたはずだ。
本作は制作者が脚本家に一切注文を付けなかったという。これはテレビのドラマツルギーに新風を吹き込む、ひとつの端緒になるかもしれない。
キャスティングもまた秀逸である。
FINIS
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