きみの靴の中の砂

ニューオリンズの街





  今は、もう思い出せない、どこでそのレコードを手に入れたのか...。1975年にアメリカでリリースされた輸入盤----- Jessie's Jig and Other Favorites / Steve Goodman.
 彼、スティーヴ・グッドマンの年譜によると、これは3枚目のアルバム。逆算すると、僕がまだ大学生だった頃に買ったようだ。収録されている曲目を見ていたら、ジャズのスタンダード・ナンバー "It's a Sin to Tell a Lie (嘘は罪)" のギターの速弾きをコピーした記憶が蘇ってきた。

 スティーヴ・グッドマンというと、傑作"City of New Orleans (ニューオリンズの街)" の作曲者として有名である。しかし、最初にヒットしたのが1972年のアーロ・ガスリー盤だったので、それ以来、だいぶ長い間、アーロの作曲だとばかり思い込んでいた。
 一度聴いたら耳から離れないメロディーのお陰で、カントリー・ミュージック・シーンでは、それをカバーするアーティストが続出した-----今、日本では20程のヴァリエーションを聴くことができる。そのうちのひとつ、ウイリー・ネルソン盤が1984年にリバイバル大ヒットすると、ようやくグラミー賞から作曲者のスティーヴに声がかかる。しかし、実はその時、彼は、もうこの世にはいなかった。受賞のわずか半年前、血液の癌で亡くなっていたのだ。36歳だった。
 彼の死の翌年に行なわれた友人達による追悼コンサートの収益金25万ドル(約3億円)は、全額、白血病調査機関に寄贈され、『本田美奈子』の "LIVE FOR LIFE" 活動のモデルとなった。

                            

『おはよう、アメリカ、元気かい?
知ってる? ボクは、キミの息子。
人はボクを"『ニューオリンズの街』号"と呼ぶ。
一日が終わる頃、ボクは500マイルも向こうだ。』

 このコーラス部分は、スティーヴと同世代の歌好きなアメリカ人なら、ほとんどの人が歌えるようだ。ただ、その内容がアメリカ住まいの人以外には無縁なところが、なんとなく残念なのだが...。




Argo Guthrie / City of New Orleans


 

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