きみの靴の中の砂

そんな夜のことだ

 

 

 このところの夜半にトッキョキョカキョク(特許許可局)とやかましく鳴いていたホトトギスは、なんの気まぐれからか河岸を変えたようで、入れ替わりに近くの土手の茂みでウシガエルが鳴きはじめた。

 そんな夜のことだ。

 いつものように浅い眠りから何度か覚め、枕頭の富永太郎詩画集をパラパラとめくっていて、ふと思った —— この詩人は、詩も書いたから詩人に分類されているけど、一度は絵描きを目指してもいたし、本質的には画家なのかもしれないと…。

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