きみの靴の中の砂

みんな自分が望んだこと





 光の中の色。目をつぶれば聞こえて来るあの夏の喧噪。限りない場景。

『貝殻拾い ----- 姉弟の幼い声』
『白いペンキで雑に塗られた小さな茶箱 ----- 素人の手仕事らしく、笑える書体で、青く「あいす」と書いてあったっけ』
『椰子のプリント ----- ビーチクラブの揃いのTシャツ』
『サンタンオイル ----- 砂に染み付くココナッツの薫り』
『ランチボックス----- サンドウィッチのレタスは、すっかり元気なし』
『緑色のグラス ----- ソーダ水の泡が弾ける』
『浜風 ----- 海水浴客が去った夕方の海 ----- ウインドサーフィンのセイルカラーばかりが鮮やか』

「早く帰ろう」と彼の声。だけどモノトーンの面影。




【Jack Elliott / Don't Think Twice, It's All Right】


 

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