きみの靴の中の砂

ひとつだけ余った朝





 雪の町。
 吐く息で曇る窓硝子越しに、今日もいつもと同じ朝が通り過ぎる。

                              

 『かまくら祭』の翌朝、激しく降り出した雪の中を東京へ戻るきみを大前田の駅に送り、「また夏に会おうね」と笑って手を振ったのは、いつの年のことであったか...。

 思えばあれは、ぼくの青春で、ひとつだけ余った朝の出来事だったのかも知れない。




The Three Degrees / Take Good Care Of Yourself


 

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