雪の町。 吐く息で曇る窓硝子越しに、今日もいつもと同じ朝が通り過ぎる。 * 『かまくら祭』の翌朝、激しく降り出した雪の中を東京へ戻るきみを大前田の駅に送り、「また夏に会おうね」と笑って手を振ったのは、いつの年のことであったか...。 思えばあれは、ぼくの青春で、ひとつだけ余った朝の出来事だったのかも知れない。 The Three Degrees / Take Good Care Of Yourself