きみの靴の中の砂

佐々木久子

 

 

 今どきは日本酒の評論家でもない限り、蔵書の中に佐々木久子の著作があったりすると、誤魔化しても歳が知れてしまう。

 ところで、ネット時代の今は、ほとんどのコンテンツが『百聞は一見にしかず』でテキストを書くのもラクだが、昔の文筆家は、若干の写真やイラストと活字のみで勝負せざるを得なく、文章表現力が不十分だと内容が読者に伝わりにくかった。

 この雑誌編集主幹兼文筆家の佐々木久子は、昭和2年生まれという古くて熟練の文筆家だから、雑誌に掲載された酒にまつわるエッセーとは言っても、それに留まらない読み応え十分な文章力を見せる。

 

 

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