伊東ゆかり / 或る日
お酒を飲む人なら、過去に何度か二日酔いの対処法について議論したことがあるに違いない。飲み過ぎなければ二日酔いにはならないなどという提言は二流の酒飲みのもので、エリートは常にその悪夢と数知れない反省の中で発想する。
集約すると『何かしらの方法で汗をかく』、『リンゲル代わりに塩分のある汁物を食べる』『胃を動かすために大好物を食べる』などか。最終的には、二日酔いから来る倦怠感を払拭する、自分なりに最適な方法はなにかということになる。
二十歳の頃 ---- 太陽が二日酔いの目にまぶしく染みる、夏の初め ---- たいして食欲もないなか、日本蕎麦屋で偶然に食べた『カレー南蛮蕎麦』、これが二日酔いからの脱却に実によく効いた。食欲が出て、汗をかけて、塩分、水分も採れ、体にジワッと『やる気』がみなぎってきたのだ。それ以来、カレー南蛮を食べられる環境でありさえすれば食べることにしてはいるのだが、昨今、世間から日本蕎麦屋は減る一方で随分不自由になった。
カレールウの原料のひとつ、ターメリックが『ウコン』であると知ったのは、そんなことがあってから大分時間が経ってのことであった。
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