芸術家が同業者の作品を鑑賞する機会は、他の分野のそれよりも多いはずだ。具体的に言うなら、例えば絵描きは、小説、映画、演劇よりも絵画鑑賞の機会が必然的に多くなるということだ。そうやって鑑賞した何千、何万という絵画の中で自分の作風に影響を及ぼした画家や作品というと、全体験・全機会のほんのわずかに過ぎず、それ以外のものは、自分と自分の好きな作家をあぶり出したあとの、紙の地の部分に過ぎない。かと言って、自分にとって今や取るに足らないその他作家達というのが居なければ、自分の存在位置・立ち位置の判断ができないわけで、全く以て無用なものとも言い難い。
ブコウスキーがどこかに書いていた ------ 自分の書くものに自信が持てなくなったときは、他の作家の著作を読むと自信を取り戻せる、と。ここで言う他の作家の著作というのが、前述の存在位置・立ち位置を『あぶり出したあとの、紙の地の部分』を指しているようだ。
【Chris Christian - Put Your Trust (In The Hands Of Jesus)】
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