拝啓、平井和正さま
(あの世で)如何お過ごしでしょうか。
今年の2月から読み始めた幻魔大戦(角川文庫全20巻)と新幻魔大戦1巻と真幻魔大戦(徳間文庫全18巻)を読み終えました。
角川版で主人公である、東丈が14巻で、嵐のようにロビーを立ち去ったまま以降、その存在は行方不明とされ、登場がありません。
箱根セミナーの夜、ホテルに姿を現したソニーリンクスやルナ王女が、丈と接触を持った上での失踪だと想像出来るけどその後の回収がないまま20巻のラストで、丈の姉、三千子と田崎、康夫が夜空を見上げながら物語は終わりました。
郁姫こと郁子とその取り巻きたちは…
GENKENは…無名塾は…
幻魔の走狗と化した久保陽子や高鳥は…
登場人物はやたらと多いのに
伏線が何一つ解消されることなく幻魔大戦20巻は終わりました。
この頃、私は知りませんでした。
角川版で描かれていた東丈や三千子たちのいた地球世界は幻魔との戦いに敗れ、滅んでいたってことに。
劇場版アニメ映画幻魔大戦を当時、観に行きました。
その影響からか、私は実は滅亡していた。と言う事実を受け入れられませんでした。
*石ノ森章太郎先生のマンガ版は読んでいません。
現状、メルカリなどて入手可能なので買って読むべきか、読まずに済ますべきか悩ましいところです。
新幻魔大戦では超能力者グループの生き残りであるルナ王女の娘、ベアトリス王女が地球再生と真の救世主を産み出すべく、荒れ果てた地上で憎悪により悪霊の女王となった超能力者千波と江戸時代から呼び出した超能力者お蝶を合体させ、タイムリーパーお時を誕生させ、江戸時代に戻します。
お時はタイムリープの力により様々な時代、様々な次元で超能力者の種を蒔いていきますがここでも伏線は回収されないまま終わっています。
お時の生まれ変わりが角川版の丈の秘書、杉村由紀であり
徳間版の丈の秘書、杉村優里(由紀の娘)として登場しますが由紀は丈の名代として渡米の予定がそのまま物語が終わってしまうし、優里に至ってはお時がベアトリス王女から授かった何よりも大切なはずの「ベアトリスの釵」を超古代の日本で修験道者の大足に盗られたまま、突然舞台が変わって、超古代のムー大陸の時代、東丈の遥かなる前世アポロの弟子、クロノスとして出てきたかと思えば、その世界の異次元空間で、黄金の獣神(伏線なく突然登場の獣神って何ですか!? せめてアポロが助けに来たって言うなら納得もできるけど!)に助けられ、どうなったのか訳分からないまま18巻で第一次幻魔大戦終了って本当に意味不明です!
あとがきで先生は言霊使われだから、自分ではどうにもならないことだ。と言い訳されてますが、一愛読者の私としては作家としての職務怠慢、仕事放棄としか思えません。
東丈は結局どうなったのか、
東三千子はどうなったのか、
お蘭さまは…?
一枝さんは異次元に姿を消したままどうなったのか
ソル王女は間道に姿を消したままどうなったのか、
狼のナルは、
ソニーリンクスは、
魔神と化したジョージドナーは意識を失ったままどうなったのか、
サイボーグ戦士ベガは?
何から何まで、全部ほったらかしのまま真幻魔も終わってしまって私は消化不良を起こしそうです。
ハルマゲドンの少女を読めばこの消化不良は少しは解消するのでしょうか?
地球儀の女神を読めば謎は解けるのでしょうか?
先生はこの地球上に存在する人間はただの器でしかなく、その本質は高次元の意識体に他ならないから死して肉体を失ったとしても何も恐れることはない。
高次元の意識体としての魂は永遠不滅のものだと小説の中で語っておられました。
それならば、先生。
高次元で幻魔大戦を最後まで書き終えてちゃんと最終回を迎えてこの消化不良に責任を取ってください。
マンガで展開される他の作家さんたちの手によるリバースとか読みたいとは思いません。
小説幻魔大戦の生みの親である平井和正先生に責任を持って最後まで書いて欲しかった。
取り敢えず、ハルマゲドンの少女を読もうと思います。
もう欲求不満で不平たらたらで書きました。
最後まで、おつきあいいただきありがとうございました。