小千谷から(Ojiya kara)

新潟県中越大震災の、とある被災者からのメッセージ
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3歩すすんで2歩さがる?

2004年11月18日 11時29分48秒 | 新潟県中越大震災・地震
火曜水曜と元気に登園したチビだが、今朝また小さな声で「ママがいい」と大粒の涙を流した。
ただ、今日は月曜のときの頑なな態度とは違って 葛藤してる様子が伺えた。
保育園いかなくちゃなんだろうな、でもボクがゴネたら家でママといっしょにいられそうだな、という私の心のスキを狙っている感じがした。
楽しい話題で盛り上げようとするが、「また(登園拒否)だよ・・・・」って心でため息をついたのがいけなかった。
気持ちが後退しているのを自覚した。
「帰ったらおやつ買いにいこっか!」
「お誕生日プレゼントのおもちゃ見に行こうね!」
「今日ママのおともだちがビデオ送ってくれるんだって!よかったねぇ~」などと何かで釣ろうとするが
「ママがいい・・・」としがみついてきてボロボロと泣いている。

不憫に思って一瞬私は素になってしまい、3秒くらい沈黙して一点を見つめてしまった。
抱いたままなので顔は見られてないがこの3秒のあいだにチビは「ゴリ押しすればイケる!」
と思ったに違いない。

あ~~だめだだめだ!気持ちを切り替えなくては!
焦る。
時間がないのが更に追いうちをかける。

「もう~~はやくいこうよ!時間ないよ!」

(o ̄∇ ̄)o!!
言っちゃいけないのに言っちゃった。
「はやく」とせかしたりしちゃーいけないのはわかってる。
強い口調もダメダーメ。
でも言っちゃった。
イライラをストレートに伝えてしもた(T0T)

またまた焦る。

そうだ!選択肢を作らなければいいんだ!

こっちもゴリ押し。
保育園の制服の袖に手を通させようとすると指がピタッと止まるチビ。<拒否
「はい!水筒持って~帽子かぶって~ ゴミ収集車くるよ~~いそげいそげ~~!!」
しぶしぶ袖を通すチビに余裕を与えず、かばんだの水筒だのを頭からどんどんかけていく。
プチプチとヒーターやテレビや電気をせわしなく消して、忙しさを演出w

年長のおにーちゃんが
「じしんこわくないよ。ちゃんとせんせいがいるからね」
と口走る。
あわわわわわ。
地震という言葉は避けてるんだよ~~~あっさり言うなよ、逆効果だよ~~( ̄ー ̄;
でも親切で言ってるおにーちゃんにそれも言えず(苦笑)

腰をあげたチビ。
歩く気力は残ってるようだ。
おにーちゃんと何かしらで盛り上がってゲラゲラ笑ってる声も聞こえた。
「よーーいどん!」車まで笑いながら走っていくチビ。
よしよしその調子!

園に着いた。
抱っこおんぶをせがまずひとりで部屋に入って行ったが、
そこで表情は一転して ママがいい~~~と抱きついてきた。

ん~~どうしよう。
またまた様子を見ていたのだが、ぶぅ~~とした顔をしつつも担任の先生に促されて
自分の制服をフックにかけたり 連絡帳を出す準備などはしている。

そのまま逃げるように帰るのはいかんだろなぁ と思って
顔を見て「バイバイ」って言ったら
また「うわぁぁぁん!」と泣いてしまった。

「先生どうしましょう?」
「うんうん 大丈夫っぽいから・・・^^様子を見てそれでどうしてもダメってことになったら連絡しますから」と先生。
あかんぼのように泣いてるチビの声をききながら、「お願いします」と頭を下げ、私は園をあとにした。
車の中でぼろっと涙が出た。

あんなふうにして引き離してもよかったんだろうか?
仕事なんてあとまわしにしたってよくないか?
ママがいい っていうんだから 連れて帰るべきだったのか?
自問自答。

園から連絡はないのでおそらく機嫌をなおしてみんなと遊んでるとおもわれる。

宅配便がいくつも送られてきた。
ビデオデッキにチビの好きなDVDソフトに林檎一箱。
どれも災害見舞いだ。

DVDにメッセージが添えられていた。
「チビちゃんへ じしんにまけるな!ゆきにもまけるな!みんなでちからをあわせてがんばってね!おうえんしてるよ!」

こらえていた涙が堰を切ったように流れでた。
今にも雨が降りそうな空。
空より先に雨降らしちゃったよ。

人生ワンツーパンチだねぇ。
汗かきべそかき歩こっか(^^ゞ