多くの人々は真面目に真剣に努力しているにも関わらず失敗のうちに人生を終えてしまう。そこには成功するための法則があるはずだ。
やがて私も母と同じようにロングビーチ公立図書館に通うようになった。成功する秘訣を見つけたかったのである。図書館には何千冊もの本が並んでいた。どの本が目的の本かは分からなかった。しかしどこかにあるはずだと信じていた。きっと秘密の鍵を掴んだ人間が本に書いてくれているはずだと思っていたからである。
子供の頃の私には成功とは何かなど何も分からなかった。しかし貧困は知り過ぎるくらい知っていたのである。私は貧困に打ちのめされそうになっていた。
でも、なぜ金持ちと貧乏人がいるのだろう。私にふとこういう疑問が浮かんできた。そしてこの問題を解こうと決意するようになったのである。
一体どこが違うんだろう。なぜ金持ちと貧乏人がいるんだろう。何で受け取る額に、これほどの違いがあるんだろうか。
その原因は一体何なんだろう。
私は11年もの間、無数の本を読んできた。しかし探し求めていた言葉が脳裏に閃いたのはほんの一瞬の出来事であった。
「人間は自分が考えているような人間になる」この言葉が私を驚きで打ち震わせた真理なのである。
この言葉を発見するのに11年もの歳月を要したのである。しかしそれは無駄な歳月ではなかった。
思考こそ生命を導くメカニズムであるという究極の真理をついに発見したのだから。
なぜ人が成功したり失敗したりするかは、人の考えが千差万別であるということから説明がつく。
すなわち人間は思考を通して自分で自分の運命を切り開いていくものなのだ。
なぜ私がもっと早くにこの真理に気付かなかったのか。
そしてなぜ多くの人がこの事実に気付いていないのか、私にはとても不思議だった。しかし私はついに秘密のカギを握ることができたのだ。
未来への構想がしっかりしているかどうかで人間の運命が決まってしまうのである。実際あなた次第なのだ。
考えていることは必ず実現する。
考えていることは確かに実現する。
成功または失敗の秘訣は考えていることが実現するという言葉に存在する。
あなたの未来の姿を思い描いてみることで体内から無限のパワーが溢れ出してくるはずだ。
今の貴方の環境はこれまでの人生であなたが考えてきたことのすべてを表している。
どの人も地球上でもっとも興味深く最高の可能性を秘めている存在なのだ。でもこの事実に気付いている人がいるのだろうか。
思考が日常生活を映す鏡であることを知っているのだろうか。
ここで話しているようなことを考えたことが一度だってあるのだろうか。
残念ながらそうとは言えないのだ。大半の人々が今の生活を維持することにのみ汲々としている。
すなわち現状を無意識に肯定しているのである。
今とは違うものを見方をしてみれば新しい人生が開けるという事実に気付いていないのだ。
まるでこの足踏み状態は生まれた時からの約束事であるかのように思っているのである。
しかし少し視点を変えてみればこのとんでもない誤りを改め成長していくことが可能となるのだ。
だからもっと素敵な生活を送ろうと決意しなくてはならない。
もっと自由で豊かな土地へ旅立ち実りある人生を開こうではないか。
金持ちの子供は豊かな環境で生きていることに何の疑問も抱かない。
貧乏な人の子供も今の生活に何の疑問も持たない。
冬は寒く夏は息が詰まりそうなほど埃だらけの乱雑な部屋、朝食抜きの通学、栄養不良になっても医者とは全く無縁な生活。これが日常なのだ。様々な国の子供たちの大半はこの両極端の間のどこかにいるのである。
考えることが生活にとっていかに重要か気づいている人は少ない。
しかし考えることこそ人生で最も重要なことなのだ。
この世で最も大切なものは考える力であり、人間なら誰しも頭の中に考えを作り出す場所を生まれながらに持っているのである。
思考がこの世で最も偉大だと言えるのは、このような理由からである。
思考こそあなたの生き方を決めていくものなのだ。ところがこのことに気づいている人はごくわずかしかいないのである。
金を作るためにはまず元手がいるというこんな俗信はきっぱりと捨てよう。もし真実なら貧しい人間だらけになってしまう。ひと握りの金持ちしか豊かになれないことになってしまう。
しかし私はついに秘密のカギを握ることができたのだ。
成功または失敗の秘訣は考えていることが実現するという言葉に存在する。
考えていることが実現するという考えほど人間にとって重要なものはないのだ。
「人間は自分が考えているような人間になる」アール・ナイチンゲール