水月光庵[sui gakko an]

『高学歴ワーキングプア』著者 水月昭道 による運営
※お仕事連絡メールに一両日中の返事がない場合は再送願います

荒波に生きる若手博士

2009年05月26日 | 庵主のつぶやき
こんにちは

昨年博士号を取得したYoshiと申します。

荒波にもまれながらも何とかしぶとく生きる一人です。

今は幸運にも、大学で研究員をさせていただいております。

・・・ただ、研究対象地域はインドネシア。

なので、常に研究資金に悩まされています。

研究については、追々書いていきます。

また、Malaria Front Fund:途上国の子どもたちをマラリアと貧困から守る会
の運営委員(調査員、会計、HP作成)をしております。

http://www.malariafront.jp/

まだまだひよっこな私ですが、今後ともお見知り置きの程
よろしくお願いいたします。

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中国でも、高学歴ワーキングプア

2009年05月26日 | 庵主のつぶやき
昨夜、「クローズアップ現代」で、大卒者が就職できない中国の現状リポートがあった。
向こうでは、「中国大就職難」とよばれているそうだ。

構図は、日本の場合と同じで、学生数の急増が求人数を超え、需給バランスが崩れたことにあるようだ。
中国政府は、新たな人材活用の場を創出するために、研究所等を創設したりといったことをすすめているそうだ。

それに引き替え、もらい手のない博士に500万円をつけて産業界に〝引き取って〟もらおうというような政策をすすめる我が国、日本。
その予算は五億円ほどというが、つまらないバラマキをするでなく、それを資金にして新たな仕事の場の創出を試みるほうがよいのではないだろうか。

高等教育を受けた「博士」の知的サービスに対する、市民からの潜在的需要は少なくないはずだ。
以前にご紹介した、「京大くびきりアイランド」では、派遣切りにあった人やシングルマザーなどに対する支援を視野に入れた法律相談等が行われているだけでなく、不登校の子どもへの教育やその相談、秀作の映画等紹介といった文化活動などが営まれている。今や「くびきりアイランド」は、彼ら高学歴者が身につけてきた知識やスキル・生きるための知恵などを求めて多くの弱者が集まる、弱者救済の聖地となっているのである。

その活動資金は、カフェ運営と寄付によって成立している。
コーヒー一杯の金額は、それを飲む人の年収の1万分の1というユニークなシステムである。
年収100万の人は100円で、年収450万の人は450円で、一杯の美味しいコーヒーにありつけるというわけ。
つまり、お金をもっている人は、少し多めに対価を支払うことになる。
だが、そのことにより、お金がないけれども高度なサービスを受けることをあきらめたくないという人たちの願いが叶えられる場を形成しているのである。
富むものは社会貢献ができるし、持たざる者は高度なサービスが受けられ、しかも、サービスの提供者である博士たちも(まだまだ十分ではないはずだが)当座の生活費を得ることができる。これぞ、三方得というやつである。
まさに、理想郷がここに誕生しているのである。

さて、この聖地を成立させるための資金集めの場である「カフェ運営と寄付」の部分に、もっと多くの資金が投じられたらどうであろうか。
高度なサービスを提供することができるのに、仕事がないためにあぶれている博士たちは既に数万人はいるはずである。
先の5億円などがもし投じられたら、きっと彼らは生き生きと活動し始めるはずだし、それにより救われる市民も多数でてくるはずである。
そんな政策が実施されたなら、きっと市民も、職がなかった博士たちも喜ぶであろうし、何より、政策そのものが国民から歓迎されるのではないだろうか。

いま、日本に足りないものは「仕事」なのである。
仕事がなくて、みんなが困っている。
特に、若い人を中心としてこの流れはずっと続いている。

「仕事」を作ること。それもきちんとした最低限の文化的生活ができる保障のついた。
そして、皆がそれにより笑顔を回復できること。
これこそ、今、国を挙げて最も急がなければならないことではなかろうか。





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